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Thu.

諦めない

11月15日、与党は、野党欠席の中、教育基本法「改正」案を強行採決した。前日まで、沖縄知事選への影響も考え、強行採決に対し慎重な声も与党内には上がっていた。最後は安倍晋三自らが、強行採決にGOサインを出した。日本の教育を水際で護り続けてきた教育基本法、その改悪のスタートラインが切られてしまった。

 この教育基本法「改正」案は、二つの側面がある。
一つは、報道でもさんざんっぱらやられているように、かつての教育勅語に繋がる「愛国心教育」だ。要は、お国のために命を張れる国民を量産させること、それが目的である。通常国会では、テレビ報道がないときも多くあったが、その際には、与党議員は何をいっているか、驚くべき事に、彼らは天皇のために命を投げ出すことを定めた教育勅語の復活を望んでいるのだ。

いま一つは、教育における格差をつくることだ。
「魚屋の息子が政治家になったら不幸になる」の言葉で表されているように、親の経済力・地位がそのまま子どもの教育に繋がる、教育の格差、これを生み出すことを「改正」案は求めている。
 実際に、戦前の教訓を踏まえ設けられた政府の教育への介入を禁じた教育基本法10条を変容し、「教育振興基本計画」という名前で、行政が教育内容を決定していくことができるようになる。そこで何をやろうとしているかといえば、学校を競争させ、教師を競争させ、子どもを競争させること、できない子に与える教育はやめ、できる子にだけ教育を与える。これが政府のやろうとしていることだ。それは否定すらしていない。
 ランク付けされた学校に入るためには、多額のお金が必要となり、子どもも自由にしていられる時間などなく、まして受験に無意味な科目なんて教わりたくもない(そんな子は負け組行き決定だ)、教師は、評価をおそれ子どもと向き合わず、いじめなんて起こったら給料下げられ、下のランクに落とされるからいじめを見てもないことにする。これは今でもある状態だ。これをさらに、助長しようというのが「改正」案だ。
 これは地方ではもっと酷くなるだろう。成績のよい学校に金があつまる仕組みである教育バウチャー制度(安倍晋三が「再生」案にいれている)、この導入によって、学校は公立・私立ともにランク付けされる。
ランク上位の学校に入るために、親たちは全ての財力をつかって子どもを競争させる。入れれば良い。また都心でそのようなランク上位の学校があればまだよい。でも、入れなかったら?そもそもそんな学校が地元になかったら?貴方の子どもには、ランク上位の学校に金も教員も吸い上げられた「吹きだまり」の学校だけが残されている。

 誰がこんな世界を求めているのか?憲法9条について右派・左派あるのは分かる。でも、「魚屋の子は魚屋」「貧乏人は子どもも貧乏人」誰がこんな選民思想のような教育を望んでいるのか?
私はこんな世界は絶対に認めない。

 今、この強行採決の「つけ」を払わせることができるのは、今週日曜日(19日)の沖縄知事選以外にない。沖縄の方、よく考えて欲しい。皆さんが持つ一票は、私たち日本に住む人間・一人の親の一票でもある。これだけの反対の声が上がっても、それを検証もせず、金で「やらせ」を行い続けた自民党・公明党、それでも彼らにこの国を任せるのか。私は自民党に投票したこともある。でももう2度と投票しない。彼らが見ているのは、国民・市民じゃない。「自分たちの保身」それだけだと分かったからだ。
 教育基本法はまだ生きている。まだ終わってはいない。
ゲーテじゃないが、生きている限り決して諦めない。
ここで私たちが諦めることは、子どもたちの未来を諦めることになるのだから。これは決して大げさでも何でもない。

    教育基本法改悪反対!
―少年法改悪反対、改憲手続き法と共謀罪の新設反対―
 
★「ヒューマンチェーン」★(人間の鎖)
   
実施日程● 11月16日(木)午後5時集合~6:30
   
場所● 衆議院第2議員会館前集合
                (地下鉄丸の内線国会前下車)
     
午後5:00 <集合>キャンドル点火 
         リレートーク <呼びかけ人&国会議員など>
          キャンドル・ヒューマンチェーン
          コール& リレートーク 
  6:30<終了>
―――――――――――――――
・教育基本法「改正」反対市民連絡会
・子どもと教科書全国ネット21
・子どもの育ちと法制度を考える21世紀市民の会
 (「子どもと法・21」)
・「子どもたちを大切に…今こそ生かそう教育基本法」全国ネットワーク
・許すな!憲法改悪・市民連絡会
・共謀罪の新設に反対する市民と表現者の集い実行委員会

◎問い合わせ先
 高田(tel:03-3221-4668 fax:03-3221-2558)
 東本(tel:090-1859ー6656)
 日本消費者連盟(tel:03-5155-4765
               fax:03-5155-4767)






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01:33 | 教育基本法 | comments (25) | trackback (-) | page top↑
Tue.

政府、やらせで5000円 運命を分かつ日15日を前に 

 教育基本法改悪反対の声を上げる皆さん、連日本当にお疲れ様です。今本当にいろんな人が、国会へ足を運び、議員へFAXやメールを送り、デモ(12日の全国集会に集まった人は7000~8000人とも言われています)、ブログでの情報発信、様々な形で、教育基本法改悪に反対の声を上げ、大きな「国民の声」のようになっていると感じます。
 私たちが11月10日に議員要請に行った際には、自民党議員の秘書が「これ見てくださいよ。」と言って見せてくれたFAX機からは、止まることなく、次々と教育基本法「改正」反対の抗議や要望が書かれたFAXが流れていく姿があり,議員の部屋はFAXだらけの状態でした。
 想像以上に反対の声は大きな声になっています。

 ついに、明日は第3次Xデーの11月15日です。
午前中に中央公聴会、その後に強行採決という与党の姿勢は今日が終わるまで崩れることはありませんでした。
 明日が本当の運命の分かれ目ともなる日でしょう。
 この教育基本法「改正」が頓挫したときには、安倍政権は自分から最重要法案・政策としているがために、政権そのものの存在意義が右からも左からも疑問が噴出していくことは必定です。

教基法案で対立解けず 与党、15日採決の構え
東京 11月14日
 与野党は14日、今国会の最大の焦点である教育基本法改正案の衆院採決日程をめぐり、大詰めの折衝を続けたが、対立は解けなかった。
 衆院教育基本法特別委員会の森山真弓委員長は職権で15日午後の委員会開会を決定、与党側は週内の衆院通過を目指して同日中に採決する構えを見せている。だが与党執行部内には19日投開票の沖縄県知事選を控え、与党が単独採決すれば「知事選のマイナス要因となる」(参院幹部)と、先送り論も消えていない。採決に踏み切るかどうかは15日午前の委員会での野党の出方をにらみながら最終判断する。



 そんな切迫した時期にまたもとんでもない情報が出てきた。
 政府は、今や知らぬ人はいない「TMやらせ」のお願いを金をばらまいてやっていたというのだ。
 金でやらせの賛成の声を作り出す政府・与党に決して負けたくない。というか負けてはいけない。これは自分のことというより、自分の子どもたちの事だから。
 5000円で魂を売り払う教育や子どもなんてどうでもいいと思って「改正」に賛成する人間、官僚、教育委員会、自分の与党での保身のために中身も知らず「教育改革」を訴える国会議員、こんな人たちに、自分の子どもや孫を任せられるか。
 みんな忙しいと思う。でも明日だけは声を出そう。一人でも多く声を出そう。今しか声を出すときはないのだから。
 


やらせ質問、サクラに謝礼5千円? 社民・保坂氏が追及
朝日 2006年11月14日21時08分 政府主催のタウンミーティング(TM)をめぐり、内閣府が事前に用意していたいわゆるサクラの質問者に5000円の謝礼を払っていたのではないか、と保坂展人氏(社民党)が14日の衆院教育基本法特別委員会で追及した。これに対し、内閣府からは明確な答えはなく、今後調査することを約束した。

 保坂氏は、内閣府が広告会社と結んだTMの請負契約書を提示。02年度後半から05年度までの契約書に「民間人有識者謝礼金3万円」「依頼登壇者謝礼金等2万円」のほかに、「その他の協力者謝礼金等5000円」との記載があることを指摘した。そのうえで保坂氏は、「その他の協力者」は「サクラ」ではないかと追及した。

 これに対し、内閣府の山本信一郎官房長は「確認できない。分からない」と繰り返したうえで、「当初、キックオフ的に名前を明示し、代表質問として最初の発言をお願いしていたことがあった。そのことを想定していたのではないか」と述べた。「その他の協力者」はサクラではなく、主催者側が発言を依頼していることを明かしたうえで、肩書と名前を名乗ってスピーチをした人のことだとの認識を示した


日経 タウンミーティング質問者に謝礼金支払いの可能性・官房長
TBS 「やらせ」質問で謝礼?内閣府が調査へ
西日本新聞 発言者に謝礼の可能性 契約書に「協力者5000円」

22:21 | 教育基本法 | comments (12) | trackback (-) | page top↑
Thu.

政府が教育基本法集会で「やらせ」を指示

今日(2006年11月1日)の教育基本法特別委員会でとんでもないというか、何やってんだというか、あきれ果てることが判明した。
 政府が開いた教育関連の集会で、政府が集会参加者に教育基本法「改正」に賛成の立場で質問をするようにやらせの指示していたことが明らかになったのだ。
 ここまでしなければならない理由はどこにあるのだろう。
国民が本当に求めているのならここまでする必要はないだろう。
 この集会は、一般の団体がやっている集会ではない。賛成の人も、反対の人も、どっちか決めかねている人に対しても開かれた責任ある政府が開いた説明会だ。そこにやらせを持ち込むとはどういうことなのか。
 ここまで私たち国民を馬鹿にする政府はもう本当に終わりにして欲しい。このような事実が明らかになった以上、政府は即刻責任をとるべきだ。

今年9月2日に青森県八戸市で開かれた政府の「教育改革タウンミーティング」で、内閣府などが教育基本法改正案に賛成の立場で質問するよう参加者に依頼していたことが1日の衆院教育基本法特別委員会で明らかになった。
 石井郁子議員(共産)が内閣府や青森県教育庁などが作成した文書を基に指摘し、政府もこれを認めた。
 文書は、青森県内の教育事務所と同県教育庁が、地元の中学校長あてにファクスで送った2種類。一つは「タウンミーティングの質問のお願い」として、三つの質問案を示し、そのうちの一つを質問するよう依頼している。
 もう一つの文書は「内閣府から以下のとおり発言の仕方について注意があった」として、<1>できるだけ趣旨を踏まえて自分の言葉(せりふの棒読みはさけてください)<2>「お願いされて」とか「依頼されて」と言わないで下さい(あくまで自分の意見を言っている、という感じで)――などと、アドバイスしている。
 1日の委員会質疑で、内閣府の土肥原洋総括審議官は「活発な意見を促すきっかけを作る目的で参考となる資料を提供することもある」と弁明した。塩崎官房長官は同様の事例が他にもあるかどうかについて「調査をして報告する」と述べた。
(2006年11月1日19時41分 読売新聞)



教育基本法「改正」反対の声を届けたいなと思った方は、
メロディさんのブログが便利。
00:48 | 教育基本法 | comments (22) | trackback (-) | page top↑
Mon.

教育基本法の危機 第一次Xデーは11月10日

 ついに教育基本法の審議が始まった。その内容は、ここのところ話題の未履修問題といじめ問題について焦点があてられた審議となったようだ。これらの問題が、教育基本法の理念を無視した教育行政のあり方に大きな原因があり、いじめ・未履修=教育基本法「改正」というのは本末転倒な結果となると私は思っているのだが、この話は今日する余裕がない。というのも、今日の理事懇談会でとんでもない提案を与党がしているからだ。
 今日、下記の保坂議員のブログにもあるように、複数の方から得た情報では、与党側から「地方公聴会」の開催を11/6~11/9にかけて複数箇所同時に行うというのだ。
 「地方公聴会」が開催されると聞いてもピンと来ない人が多いだろう。しかし、ある程度法案審議についての手順について見識のある人なら顎が外れるほど驚くはずだ。
 「地方公聴会」の開催をするということは、事実上、実質審議はもう必要ないという意思表示を意味するからだ。野党が公聴会開催に反対しているということだが、問題のポイントは、「与党がもう実質審議は終わりにして採決しよう」という姿勢を示したことにあるのだ。現在、各誌が報道するように国会内部では、11月上旬、具体的には11月10日が第一回目のXデーであると言われているようである。複数地同時開催の地方公聴会を行い、11月10日に採決という算段が目論まれているようなのだ。
 今、非常に危険な時期に入っている。ここで反対の声を国会へ届けなければ、これまでのような教育基本法の「解釈改正」で滅茶苦茶にされた教育が、教育基本法そのものの「改正」という本当に取り返しの付かないことが生まれてしまう。この基本法は一旦失われるともうおそらく二度と手にはいることはないだろう。


 Xデー11月10日までにある集会を以下に紹介しておくので、どちらか一つでもいいから参加しよう。
 
11月10日までにある集会は、....

①教育基本法改悪を許さない各界連絡会・教育基本法全国ネットワーク 教育基本法改悪反対中央行動・中央集会

11 月2 日(木)●開会 18:30 ●会場 東京 日比谷野外音楽堂
●内容 あいさつ 各界からの決意表明など
◆集会終了後 国会へ向けてデモ行進を行います。パネルやプラカードなどなんでももってあつまろう!

②教育基本法改悪反対! ―少年法改悪反対、改憲手続き法と共謀罪の新 設反対― ★「ヒューマンチェーン」・★(人間の鎖)

日程● 11月8日(水)午後4時
場所● 衆議院議員面会所 集合

・教育基本法「改正」反対市民連絡会・子どもと教科書全国ネット21
・子どもの育ちと法制度を考える21世紀市民の会(「子どもと法・21」)・「子どもたちを大切に…今こそ生かそう教育基本法」全国ネットワーク・許すな!憲法改悪・市民連絡会・共謀罪の新設に反対する市民と表現者の集い実行委員会

「保坂展人のどこどこ日記」

教育基本法特別委員会は明日10時から夕方5時までの審議が行われる。とりあえず、明日まで私が担当し明後日から社民党所属議員が交代で質疑に立つことになる。今日の理事会では与党から「地方公聴会3~4ヶ所・中央公聴会はやらない」という提案が出たが、野党は「その時期ではない」と拒否。朝・昼・晩と理事会を開いて今後の委員会運営を話し合った。今週の採決はなくなったが、来週がいよいよ狙われているのは間違いない。

23:33 | 教育基本法 | comments (2) | trackback (-) | page top↑
Fri.

民主主義 ~韓国と日本

 教育基本法「改正」が目指す、過当競争のなれの果ての高校留年問題、米国愛国者法と共謀罪の無法性を断罪したともいえるリン・スチュアート弁護士に対する判決など書かなくちゃいけないことはたくさんあるけども、今日は、つい最近会い、とても感動したお隣韓国の弁護士の話をしてみたい。

 21日から23日までの3日間にわたって、石川県で韓国の弁護士団体である民主主義のための弁護士会(民弁・盧武鉉大統領の出身母体)と交流し、北朝鮮問題についての共同声明(■1)の作成や、教育基本法やら国民投票法案、共謀罪、労働契約法制、自主共済廃止問題、特例高金利問題等々多数の現状の問題点についての協議をしてきた。私は自由法曹団という弁護士の任意団体の一人として参加してきたのだが、韓国民弁といえば、いまや盧武鉉大統領や法相を輩出する与党的立場の弁護士団体だ。自由法曹団はといえば、約1800名ほどの構成員を持つものの、やれ「アカ」だの「サヨク」だのと言われることが多いマイナーな民主団体の一つに過ぎない(言いたい放題ですみません...)。民弁であれば、日弁連と共同声明を出したっておかしくないだろうにと思っていたが、それには歴史的な経緯があったことがわかった。

 韓国は、36年間にわたる日本の植民地支配から抜け出せた後、南北分断され、朝鮮戦争の休戦後、軍事クーデターが起こり、以後反共法、国家保安法など市民の人権を奪い取る法律を立て続けに制定してきた。韓国では、朴正熙(パクチョンヒ・日本名高木正雄)、や、その暗殺後、これを粛正して登場した軍人・全斗煥(チョンドファン)らによって恐怖政治が延々と続いていたのだ。この軍部出身者による軍事独裁政権のもとでは真実の情報すら市民には与えられず、リベラルな出版物、書物などは市場からはもちろん、図書館からすら撤去されていたのだ。
このように韓国では、二次大戦後、日本を憎みながらも日本占領軍の統治方法を踏襲した統治が行われていた。軍部が圧倒的な権力を持ち、大統領も軍部から生まれた。逆らうものには徹底的な弾圧(crackdown)が加えられ、後に大統領になる金大中もその弾圧にあった一人だ。

このような社会情勢の中、弾圧を受けながらも民主化のために闘ってきた弁護士たちがいた。それが正法会(1988年 民主主義のための弁護士会(民弁「ミンベン」)に改編)だ。
 彼らは、軍事政権からの弾圧を避けるために、地下に潜り、レジスタンス活動を行っていた(私が、この日に会った弁護士も、軍事政権によって逮捕され二年間の投獄生活を送った経験があると言っていた。)。 彼らは、韓国では知ることのできない報道を、日本の弁護士たちなどから日本の新聞報道や書籍のコピーを送ってもらい、隠れながら読みあさったと言っていた(だから来日した弁護士は、日本語は話せないが日本語は読めていた)。情報操作によって孤立させられている韓国の市民に、植民地時代から朝鮮半島の独立運動を支援してきた布施辰治(ふせたつじ「日本のシンドラー」と呼ばれる。元法務大臣・元日弁連会長)が戦前の1921年(大正10年)に創設した自由法曹団らが危険を冒して協力し、韓国の民主化運動に協力してきたというのだ。
 驚いたことに、彼らが1980年に起こった韓国の光州事件(■2)の真実を知ったのも、日本の新聞を見て初めて知ったというのだ。そんなに最近まで軍事独裁政権に牛耳られていたのかと思うと非常に不思議な気持だ。今の韓国からは想像もできない。こんな古めかしい暴力的な政治が私が中学生だったころのことだというから信じられない。
彼ら民弁は、この時代にはマイナー中のマイナーというか、軍事政権から見たられっきとした「犯罪者」だったわけだ。
その彼らが、光州事件から活発化した民主化運動を、日本の一部の知識人たちの協力もあって闘い抜き、1987年6月29日、大統領候補だった盧泰愚(彼も朝鮮戦争に従軍した軍人)に普通選挙を約束させる「6.29民主化宣言」を出させ、実に16年ぶりに大統領選挙を実施させたのだ。その後も、民主化運動は継続し、今のような韓流ブームで日本のご婦人たちが大騒ぎするほどひらかれた韓国になってきたのだ。
ほんの10数年前には「犯罪者」だった民弁は、現在では、盧武鉉という大統領(彼はもと民弁出身裁判官)を輩出するまでになった。
もちろん、韓国の民主民主主義はまだ、芽生えたばかりで成熟しているわけではない。与党的立場になった民弁は、その後も同胞の盧武鉉政権に対しても、その政策の問題点を市民的立場から指摘し続けている。

よく、嫌韓流な人たちは、昔(というか10数年前)の韓国をとらえて、どうのこうの言うことが多いが、韓国はいわばここ10数年で最悪の軍事政権から暫時的な無血革命を果たした国で、民主化のために闘ってきた人たちは、安倍晋三などの日本政府はともかく、現在の日本の一般市民に対しては、報恩の気持を持っているとも言っていた。しかし、今の日本と同じく、だんだんと若者の政治離れが始まり、無関心層が拡がりつつあって、日韓ともにこういう若い人たちの間で、民主化運動の中で生まれた日韓市民の友好の歴史が希薄化してきていることを心配していた。

私自身、軍事政権下の民主化運動があったことは知っていたが、自分たちの先人らがやってきた具体的な歴史は初めて知った。非常に生々しい民主化のための闘争の歴史を韓国はつい最近までやっていたのだ。

私たちは、今の日本の民主主義社会を当たり前のように感じすぎているのではないだろうか。地下に潜らなくったって、情報だってインターネットで世界中の情報を入手することもできる。そんな恵まれた環境である私たちは、もっと民主主義がいかに得難いものかを知り、それを使うことの大切さを知る必要がある。
自分たちの生活が脅かされ、生活でも教育でも不平等な競争を強要され、捨てれば恐らく二度と手に入ることのないせっかく得た「戦争をしない国」であることを捨て去ること、それが、本当に私たちが望むことなのか。
私たち一般市民が評論家になる必要はないと思う。
単純に教育は平等に行われるべきだと考えるのか、それともエリートとそれ以外に分ける格差をつくり、世襲エリートに世襲奴隷がいるそういう世界が望みなのか、いかなる場合でも絶対非暴力で立ち向かう世界がいいのか、相手と核爆弾を持ち合って脅迫し合って生きていく世界が望みなのか。考えるのはそれだけでいい。自分の子どもたちや、孫の代、将来に生きる全ての人たちにどのような世界を与えてあげたいのか。自分の頭で考えて、自分で決断しよう。そして小さな声でもいいから、だんなさん、奥さん、おじいちゃん、おばあちゃん、友達だれでもいいから、伝える声を出そう。それが、韓国の人たちがつい最近まで血を流して勝ち取り、そして今私たちが持っている民主主義というものなのだ。


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■1北朝鮮核実験についての自由法曹団と民弁の共同声明
 この声明の中にある北朝鮮と韓国の民間レベルでの交流については、とても重要で、この交流によって、最前線である38度線ぎりぎりに敷設されていた北朝鮮の軍事施設は、より北側に後退し始めていたということだった。民間レベルでの交流まで止め、徹底的な経済封鎖を行うことの危険性を指摘している。

■25.18光州民主化運動
 1980年5月韓国全羅南道道庁所在地光州市の民主化を求める学生や市民が軍部隊と衝突した事件。(当時の韓国政権では「光州事件」と呼ばれた。)市民の決起は5月18日に始まり、抵抗は5月28日まで続いた。この間、光州は軍事封鎖され、電話も遮断、軍の武力鎮圧により多数の市民が死傷した。この事件を徹底弾圧した全斗煥将軍はやがて自ら大統領の座に上り、軍事独裁政権を継続した。韓国軍に指揮権をもつ米軍が軍の弾圧を支持したため、韓国における反米感情を煽る結果ともなった。
(wiki
02:32 | 北朝鮮 | comments (14) | trackback (-) | page top↑
Fri.

権力への脅威となるススメ ~共謀罪・国民投票法案強行採決の危機に際して 

今日は、約30名の弁護士らと一緒に国会へ行ってきた。教育基本法の特別委員会、憲法調査特別委員会の委員全員の事務所を回ってきた。もちろん、教育基本法「改正」反対と国民投票法案(改憲手続法案)反対の意見を伝えるためだ。
自民党議員に「教育基本法「改正」案や国民投票法案についての議員の考えはどうか」と聞いてみたのだが、答えは決まって「党が決めているので賛成に決まってる」というものだった。そりゃ確かに「反対」というとはこちらも思ってはいないが、気に入らないのは「党が決めているから」というくだりだ。
一個の政党の構成員が、皆同じ考えを持つしかない、これは非常に気持ち悪いことだ。
確かに法案を提出しているのだから、党としては改正・制定に賛成しているのは分かる。しかし、法案提出を全員一致の判断で決めたとでもいうのだろうか?例えば裁判だって、合議体なら3人の裁判官で意見が分かれる。判決として出てくるものは一つでも、それに反対する裁判官だっているのだ。それを多数決によって一つの結論に結びつけているだけだ。
 また、現在はこれらの法案の審議中だ。自民党議員がみんな同じ意見なら、何を審議する必要があるのだろう。委員会の構成は約40名だが、ほとんどが自民党会派(国会における単位は党員数でなく党とは離れた同じ考えで構成される「会派」という単位で計算されます)だ。この人たちがみんな同じ考えなら、これに対する反対意見の人と議論をして審議が初めて成り立つのに、同じ考えの自民党議員が延々喋り、反対意見を持つものに与えられる時間はわずか10分程度という有様だ。これで何の審議ができるというのだろうか。党の方針に逆らって、もと郵政民営化反対議員たちが自民党から追放された。この時から自民党内では恐怖政治のような状況になっている。一部の「あたま」が決めて後は、小選挙区制という滅茶苦茶な制度で大多数となっている自民党議員たちが、教育基本法も国民投票法もよく知りもせず(6月時点で会った議員のほとんどは法律を見たことすらなかった。そんな人たちが4か月で比較法的研究までやってるわけない)、自分の生活を考えて「党の方針」に盲目的に従っている。これが現実だ。これってどこかの一党独裁政権に良く似ている。どうせあれだけ数のいる自民党議員が皆カーボンコピーのような同じ意見しか言えないのなら、各党から一人ずつ委員を出して均等な意見を言える時間を使って議論をした方がよっぽど、意味のある議論ができるだろうに。大体、教育基本法なんて今国会で審議中なのに、行政府が同時に教育基本法が変わることを前提に教育改革政策なんて進行させるのは、国会軽視以外の何者でもない(この指摘をある弁護士がしたら、しどろもどろになったようだ)。
 と言いたいことは山ほどあるが、今日の本題は以下。
――――――――――――――――――――――――――――――――
 今日、TBでもたくさんいただいたのだけれども、同業者のヤメ虻さんのブログで共謀罪が強行採決の危機にあることが紹介された。情報元は海渡雄一弁護士で、この方は実は福島瑞穂(弁護士)社民党党首の夫なので、情報ソースはそこからだろうからその信憑性は高い。他のメーリングリストもこの話題で持ちきりだ。民主党は、共謀罪については「やっぱり一緒につくりましょ」ということはもう絶対にないので(民主党の自民党攻撃の最大の武器の一つになっているので)、自民党としては成立させるためには強硬手段しかもともとなかったのだ。ところが、北朝鮮核実験のおかげもあって、大阪・神奈川の補欠選挙が自民党優位に進んできているらしい。そのため自民党は補選が自民勝利になった場合には、強行採決に踏み切っても来年の参議院選は大丈夫という判断をするようなのだ。すごいせこい考えだが、実に自民党らしい。
 共謀罪なんて嫌だと思っている人、FAXでもメールでも手紙でも電報でもなんでもいい。声を国会へ届けよう。新聞社でもいい。そんなことしても意味ないんじゃ...と思うかも知れないが、通常国会での共謀罪強行採決を阻止できたように、実際のところ、こういった一人一人の小さな力が、大きな結果に結びつくことは確かなことなのだ。
連絡先一覧「薫のハムニダ日記」

 実は、こちらは表には出てない話だが、国民投票法でも同じような話がでているようだ。確かに補選後に共謀罪だけでなく、他の法案も強行採決に踏み切ってもおかしくはない。
ただ、国民投票の場合は、強行採決するには審議時間があまりにも短すぎるので、自民党としても体面が非常に取りづらい。通常国会では、実質的な議論はたった1回しか行われていない。わずか数回の審議で強行採決なんてしたら、下手をすると安倍氏はおじいちゃんの二の舞の事態になる可能性がある。かといって、通常国会のように「全体会」という一つの場で議論したら、どうしても回数・時間に限りがあり、一会期中に「十分な審議」をやりましたよーというポーズすら取ることは難しい。なんとか北朝鮮問題で沸き上がったこのムードがある内につくってしまいたいのが本音だろう。

 この場合に、自民党が採る方法として考えられるものは、「小委員会」制度を使うことだ。
 つまり、一つのテーマをばらばらにして、これをそれぞれ別の小委員会(班みたいなもの)に分けて同時に審議してしまおうということだ。

 これをやるとどうなるか。

実際のところ、特別委員会で本気で国民投票法案に反対している議員は、共産・社民の2名しかいない(枝野氏は民主党だが、通常国会の審議録をみれば分かるが彼は心の底から改憲派だ。)。この状態で、ばらばらの小委員会で同時に審議をされてしまうと、2人しかいないから、反対派の議員は数が足りなくなって全ての審議には参加できなくなるわけだ。仮に同時にしなくても、自民党議員は、ローテーションでくるくる回せるが、この2人の議員は2人だけなのでとてもついて行くことは難しくなるという寸法だ。
この方法は、とてもちゃんと議論して決めようという姿勢には思えない非常に卑怯な方法だ。自民党がもしこの方法をとる動きを見せたら、猛反対しなければいけないだろう。  
 この動きが出たときは、国民投票法案の強行採決のレッドアラートが鳴っている証拠なのだ。

 自民党はいつも同じ方法を使う、本来直接は関係のない事件で国民が不安になっているところへ、「この法律通せば大丈夫だよ」などと宣伝し、法律を見たこともない人たちがこの宣伝に騙されて通ってしまう。
 私たちは、権力者にとって、「脅威」を与える存在にならなくてはいけない。そうしないと、ただ言いように騙されて、権力者たちの都合のいいことばかり知らないうちにされ続けるのは当たり前のことだ。
 法律の世界の決まり文句に「法の不知は許さず」という言葉がある。
 一人一人が法律を知ろう。少なくとも作られようとしているその法律が、自分たちの不安についてどういう解決をしてくれるのか気にしよう。反対している人たちが、どうして反対しているのか聞いてみたいとちょっと考えてみよう。
 そうすることがB層などといって、黙っていれば分からないと考えている人たちにとって一番の「脅威」になるのだから。
02:58 | 共謀罪 | comments (14) | trackback (-) | page top↑
Sun.

格差と思考 ~忙しいあなたへ

ニュースでは、北朝鮮制裁ばかり。国会では、教育基本法も改憲手続法も共謀罪も審議は事実上ストップしたままだ。
 こんな中、昨夜私はどえらく長い会議の後、新しく迎え入れた新米弁護士の懇親会に出席し、女性事務局とお酒を飲みながら話していた。私の事務所にいる事務局さんたちは約10人ほどだが若い事務局さんたちは、私がブログに書くようなことは余り興味がない。
 実際のところ、右派ブログに登場する時間的余裕のある学生さんたちは別として、私ら社会人、特に30代の社会人たちは、概してこの手の話に興味がないか、多少の興味があっても詳しくない。その理由は明白で、生きるだけで正直精一杯だからだ。この年代はとにかく忙しい、残業残業、休日出勤当たり前、子どもの将来を考えるだけで不安になる。たまに興味を示せても政治問題といっても「歴史認識問題」みたいな過去の話なんて一切興味はない。「そんなこといってる場合か、年金なんとかしろ」それが本当に精一杯だろう。
 とても先進国とは思えない有様だが、これが今の日本の現実だ。あまりに身近な不安と課題がありすぎて、天下国家のことなんて考えられない、そんなこと考える奴は暇人で、働いていない怠け者のような気持をもつ、そういう気風がいつからかこの国にはできあがってしまったように思う。学生さんの場合には、将来不安といっても社会人のそれと比べればそのリアリティが桁外れに違うので、政治問題に考えを及ぼすこともできる。しかし、以前の記事に書いたように、これは自分では気付けない右傾化に馴染みやすい素地を持っている。

 この経済的な将来不安は、米国のような相続制度と教育制度によるものとは違い、日本の場合は、雇用制度に大きな原因がある。
 日本では、不安定な地位しか持たない派遣労働者が蔓延し、フリーターの数も半端じゃない。また、もうじき出てくることになっている労働契約法制は、お金さえ払えば解雇できるようにするというものだ。ただ、こういった不安定雇用の増大は別に日本だけではない、多くの国でも増加している。
 しかし、日本の場合には決定的に違う点がある。それは、これら不安定雇用の労働者の賃金が、正社員の労働賃金よりも安いことだ。例えばフランスの場合、正社員以下の賃金を臨時雇用者に適用することは法律上認められていない。
常識的に考えれば分かるが、地位が安定する者と安定しない者だと後者の方がリスクが高い。後者はどうしても必要なときに頼むいわば「助っ人」のようなものであり、当然にコストは高くなるはずなのだ。だから、フランスでは、正社員でなく、派遣労働者をたくさん使えば、当然にコストがかさみ、逆に損をする仕組みとなっている訳だ。
日本の場合、経済的にみれば当たり前のことが、全く逆になっている。企業にしてみれば、地位が不安定な者であれば、不要になれば簡単に捨て、必要になればまた雇うということが可能になり、さらに正社員よりも賃金が安いとなれば何もいうことはない。一方的な利益を貪ることができるわけだ。
また、今、米国にならって作られようとしている日本版ホワトカラーエグゼンプション(年収400万円以上であれば残業代はゼロになる制度)なんていうものがある。これも企業にとっては、残業代というコストなく、働かせ続けることができる魔法のような法律だ。

今、景気が過去最高に高まっているなどと言われる。しかし、一方で日本は、OECD貧困率で世界第2位の貧困国家でもある(2006年7月)。この矛盾の大きな原因はここにある。つまり、生まれた利益を大企業が握り、そこから下へなかなか落ちてこない仕組みが作られているわけだ。それでも直接大企業に勤めている正社員には、かつてと比べれば多少は落ちてくるようになっているだろうが、しかし、企業が確保する利潤とは比較にもならないほど見合ってない。そして、大企業が下請けに出す中小企業にも落ちてこないし、そこに勤める社員なんて落ちてくるはずもない。こんな状態でありながら、政府はさらに法人税負担を軽減し企業を有利にする一方で、一般個人の税負担を和らげる本来恒久的な減税措置であったはずの定率減税を約束を知らんぷりして廃止し、消費税も増額するということをほぼ明言している。加えて先の首切り自由の労働契約法制に、残業代0円のホワイトカラーエグゼンプションの導入だ。
また、今、経済改革を訴える政府の経済諮問会議に名を連ねるのは、御手洗経団連会長などまさに大企業のお歴々である。(サンケイビジネス)これによってさらに、大企業にとって利益がある政策が生まれていき、汗を流して働く人たちの生活は苦しく、また将来の見えない不安な生活が拡がっていくだろう。右でも左でもいい。ニュースを見るときに、「経済改革」だとかいうときには、その「利益」が誰のためのものなのか、という視点をもって見て紹介する必要がある。
 こうやって「企業」という肉体のない人格は富んで行き、肉体のある多くの人間は貧しくなって、毎日の自分だけの生活にも不安を感じることによって、酷い少子化を生みだし、本来、このような理不尽な政策に文句を言うはずの思考すら、もつ余裕も奪われているのだ。

 これが日本における「経済格差」という病理現象の最も大きな原因だ。勝ち組となったこの仕組みを分かっている人間はほとんど大きな声を出すことはない。自分たちの既得権を失う意味はないし、政府にとってもどうせ考えることもできない個々の個人の生活よりも、自らの党の後ろ盾となる「イエスマン」になるしかない大多数の社員という構成員をもった「企業」の方が自分たちの益になるわけだ。日本は、ちょうどロックフェラー、石油メジャーに牛耳られるアメリカの政府と同じ、「財界に操られた政府」になろうとしている。
 そして、その財界が、バブル以降どれほどアメリカに食い込まれているかよくご存じだろう。先のホワイトカラーエグゼンプションの導入なども、米国年次要望書を受けて導入が計画されているものであり、米資本企業が日本での経営を円滑にすることがその主たる目的だ。

 また、この「格差」は、事実上、「生まれによる格差」も生み出すことになる。
 それは、日本の教育費が国でなく、個人・家庭にそのほとんどを負担させられるからだ。
 日本の家計における高等教育費の占める割合は、約58.5%(2002OECD)と世界的に見て異常なほど高い。50%を超えるのは韓国と日本だけで、欧州諸国はスウェーデンの家計負担率0%のほか、軒並み10%以下だ。つまり、欧州先進諸国では、教育はほとんど無料(フランスでは幼小中高は完全無料、大学の費用だって年間2万円程度)なのである。「生まれによる格差」を無くそうという努力がそこにはある(ちなみに、私は、教育費無料についてという限度では民主党案の新教育基本法法案を評価している。しかし、他の「改正」規定が駄目すぎるので全体として反対している。)。また、競争は平等あってこそのものという思想がそこにはあるのだ。
 私は競争社会自体を否定する気はない。私自身、確かに人と競争してきた人間だ。
でも、競争が正当化されるのは、それが平等なスタートラインがあってこそだ。この平等なスタートライン、社会福祉、年金制度、賃金格差...人が生きるための最低限の制度をきちんと確保して初めて競争は正当化されるのだ。
また競争に加われないもの・敗れたものは「生きていけない制度」(障害者に「自分で生きろ」という障害者自立支援法などもそうだ)などは決して作ってはいけない。生きているのは人間で、政治はその人間のためのものだからだ。負け組よりも「よりよい生活」ができれば良いのであって、負け組を、生きることで精一杯の「貧困」状態にして、富を得るべきではない。そんな社会は持続しない。殺し合いの世の中だ。

小泉・安倍政権(いや、自民党自体がつくりあげたこの制度か)が、この「経済格差」を「すすめてませんよ」とか「格差なんてないですよ」なんて言いながら、ちゃっかりぐいぐいと進めている。
「忙しくて、そんな暇なこと考えてらんねー」という同年代の真面目な企業戦士たち、なんでこんなに苦しいのと嘆き、目の前しか見えない人たち、あなた達が報われるべきまっとうな権利は本当は存在する。それが見えなくされているだけだ。
今の日本の資本主義は、本当の資本主義じゃない。貧しいものをあえて作りだし、一部の者が搾取するという既得権を守る独裁的資本主義なのだ。
経済的貧しさは、心を貧しくし、思考を奪う。
 忙しくても、考えることをやめないようにしよう。考えることをやめたとき、私たちは本当に、国と一部の「勝ち組」の奴隷となってしまうだろう。
04:12 | エッセイ | comments (18) | trackback (-) | page top↑
Thu.

一筆書きコラム 「雑感 北朝鮮核実験」

10/9、北朝鮮が核実験を行った。なんだかんだで2日も経ってしまった。
いい加減書かなくては思いながらも、今日は遅くなりかなり眠い。でもそろそろ書かないといけない気がするので書いてみることにする。
 
私は、あまり見る時間がないこともあって、テレビはほとんど見ない。だから、今お茶の間でどれほどこの話題が盛り上がっているのかは分からない。それゆえ最近(というか数年間の間に)出てきた芸能人もかなり有名な人以外知らない(と思う)。また、私は別に国際政治学の専門家でも、軍事の専門家でも何でもないので、核兵器の性能云々なんてよく知らない(私の事務所のぷち右派後輩弁護士は、兵器マニアなので聞いてもいいが、聞くと長いので聞く気がしない)。そんな私なので、行われているであろうお茶の間トークとマニアックな兵器論など無視して、しろーとくさくも、思ったことをそのまま書いてみる(結論がない可能性もありますのでご注意を)。

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 私がこの北朝鮮の核実験の報道を聞いてまず思ったのは、「日本が攻撃されるアブナイ!」とか「アメリカや韓国攻撃されるアブナイ!」とかじゃない。まずは、在日の子どもたちへの嫌がらせがまた始まるのではないかという不安がよぎり、その後は、どうして北朝鮮は核実験をすることになったのかという疑問が沸き、数年前に有事法制を調べた(というか当時調べさせられた)際に、知ったいきさつが頭をよぎった。それは日本の軍拡方向と北朝鮮の行動のいきさつだ。

 北朝鮮の核開発問題は、94年に金日成政権下(ジョンイル・パパ)の北朝鮮の核開発がクローズアップされ、米国は北朝鮮への空爆を現実に検討し、実は日本に北朝鮮との戦争突入について打診が行われていたことが分かっている。この時に、米国から、日本は朝鮮半島で戦争状態になったときに対応することができるようになっているかと尋ねられ、有事法制を持っていなかった日本は、法整備が無く対応できないと答えたためもあって、米国による北朝鮮攻撃は回避された。日本にしてみれば、有事法制がなかったおかげで戦争に突入することを回避できたともいえる。
 ただ、この事件後から、米国の圧力はこれまでの比でないくらいに強力になっていった。その結果、3年後の97年9月に有事における民間動員(有事法制の一部)の内容を含む日米新ガイドラインが合意された(条約でも何でもないので行政政府間でできてしまう)。ただ、これを実現するための国内法は直ちには作られなかった。もちろん、いくらなんでも戦争あることを前提とする有事法制をつくるなんて、そこまでやったら下手をすると政権が変わるかもよという雰囲気があったように思う。また確か丁度米国大統領選(当時民主党クリントン政権)もあって、米国側の圧力も弱まっていたのかも知れない。
 ところが、翌98年8月に、何とも驚いたことに北朝鮮はテポドン1号を発射した。これで、94年の北朝鮮核危機を「そんなこともあったなぁ」と思っていた私に、また鮮明な北朝鮮に対する危機感を呼び覚まさせた。また立て続けに、翌99年3月には北朝鮮の不審船事件が起きたのだ。この頃に北朝鮮という国のイメージが、できあがったような気がする。
 そして、この一ヶ月後の4月に、戦争時法である有事法制の前提となる、周辺事態法が国会に提出され、同時に国旗国歌法案も提出された。私はこの時には平和運動なんてやってないので、やっていた人に聞くとこのころはそれはもう、北朝鮮に対する危機感の高まりと、これに伴うナショナリズムの高まり、また、同時に様々な法案が出されたため対応に追われ大変だったそうだ(今の状況によく似ている)。
 だが、彼らの検討むなしく、94年の時に「朝鮮戦争」の勃発を防いだ、日本の戦時法の骨格ができあがってしまった。
 ここからはもう雪崩現象のようだった。2年後の2001年には、9.11事件が発生し、2001年に当選したばかりのブッシュ米大統領は対テロ戦争を主張し、アメリカも急速に右転回して、あっと言う間に94年からの念願であった戦時法である有事法制が完成した。またおまけでイラク特措法、テロ対策措置法もできあがって(この時に今話題の、派兵恒久化法案も検討されたがさすがにこれは落ちた)日本は、94年当時に考えられていた朝鮮半島有事の際の戦争可能国家という目的も超えて、「非戦闘地域だ」と言いさえすればインド洋を越えてでも戦争可能な国となったのだ。
 自民党が衆議院の単独過半数を持つ状況が生まれ、この間に、教育基本法や憲法改正といった、センシティブな問題を次々と出してきた。
 この勢いはもう行くところまで行くかなと思うと、イラク戦争で厭戦気分が蔓延し、しかも戦争目的もその存在すらなかったことが明らかになり、世界的にも批判を浴び続ける状況が生まれ、ブッシュ政権が支持率30%を切る勢いの危機的状況となり、「ブッシュの小間使い」ブレアが退陣を宣言するまで追い込まれ、イタリアの右派政権も倒れ、新自由主義改憲案も圧倒的多数で否決された。
 そうすると今度は、イスラエル(米)がレバノンを攻撃し、最後の最後で、北朝鮮が弾道ミサイル実験、そして、今回の核実験に至る。

 私はブログ界でよく出回る陰謀論というものは余り信じていない。こうやって思い返してみるとなんだかできすぎだなぁという気はするが、だからイコール陰謀だという発想はなかなか持てない。ただ、「陰謀かもね」という気持を持つことは、冷静な判断を可能にするという意味で持つべき発想法だとは思う。
 藪金三が仲良しだというのは、私の貧困な想像力ではいかにも想像できないけども、アメリカは、94年の時点から考えれば、ドル偽造疑惑を理由にしているとは言え長期の経済封鎖を継続し、北朝鮮の食糧危機事情や、「悪の枢軸」指定(戦争予告みたいなものだ)なんてことをしていれば、このような結果になることはまず想像できることだったと思う。
 北朝鮮が、第2のイラクになることを回避するための方法を考えたら、最終的な答えが出せないだろうドル偽造疑惑(やめてもまだやっていると言われれば永遠に続く)を解消して経済封鎖の解除するという方法は可能性が低すぎる。94年には現実に行われるところであった攻撃を回避するには、核保有国になるしかないと考えてもあながち不自然ではないだろう。また、今の米国はイラク問題で即時に攻撃できる余裕はないので、開発を急ピッチに進めるには好機とすら言えるかもしれない(ちなみに、北朝鮮の立場になって考えてみると、日本は取引も小規模だし、どうみても米国の基地にしかみえないだろうから、日本とどうのこうの交渉してもほとんど意味がないし、拉致問題が解決しないとどうせ話し合いもできない。
日本に独自の意味があるとしたら、過去の歴史認識問題を根とした日本の軍拡・右傾化が中国・韓国の反日感情を高め、ひいては接近し始めている中国と米国の関係の混乱が生み出せることだろう。そうすればますます戦争予告を受けている北朝鮮の安全保障が強固になる。)

 では、米国は94年の危機に現実に実行しかかった北朝鮮攻撃を、イラク戦争のように単独行動主義でしたいのかといえば、それは多分違う。北朝鮮に軍事行動を始めれば中国も動かざるを得ないだろうから。米国にしてみれば中国と冷戦状態に落ち着くことができれば最良だが、絶対に今の中国とは実際の戦争行為はしたくないだろう。市場開放政策に移り経済が成熟し始めた今の中国は莫大な消費者を内包する最大の市場であり、下手すれば自国も崩壊するし、間違って勝っても支配国土が大きすぎるし、歴史が長くてナショナリズムが強くコロニー化による傀儡政権など維持できない。どう見ても何も「良いこと」がない。
 だから、米国にしてみれば、中国の介入がないとの保障がない限り北朝鮮への攻撃を考えることはないだろう。これは、中国から見ても同じ考えだろう。
 なお、中国は共産主義国だが、例えば日本や韓国などの他国をいまさら共産化しようなんていう考えは現実には持ってないと思う。市場化はしたいだろうけど。共産主義も資本主義も要するに、自国と同じイデオロギーの国とだけ基本的に取引ができるという前提の元での、資源の取引市場の奪い合いだから、多少の問題はあるにしても取引可能(国交可能)な状態で現実の紛争になる必要性は全くない。

 94年当時は日本の法整備の不存在を理由に朝鮮有事は回避された。でも今有事法制は一部自治体を除き全て整備されている。また、米国は、戦争予告とでも言うべき「悪の枢軸」に北朝鮮を含め、非核化のために進めてきた協議をドル偽造疑惑なんていう関係のない理由で行き場を失わせる経済封鎖をし続け、実質的に非核化のための協議を止めてきた。日本も6カ国協議とは直接関係のない拉致問題と非核化問題を切り離せない問題として提起してきた。拉致問題は極めて人権問題として重要な問題ではあるが、これも「まだいる」「もういない」という水掛け論となる可能性があり、どの時点を最終的解決とするかが極めて難しい問題であり、これを核開発問題と切り離せない問題にすることは、極めて困難なものを二重に難しくすることは分かっているはずだろう。
 米国と日本、本当にどうしたいのだろうか。湾岸戦争のように北朝鮮が自ら行動を始めるようにし向けたいのか。もし、このような日米の行動が意図的なものでなく行われているのだとしたら、取り返しのつかない大失策だと思う。
 北朝鮮の核保有国化は、反西側諸国でかつ資源もない独裁国家が生き延びるためのモデルケースになってしまう危険性があるからだ。核保有国でありながら小国といえるのは、パキスタンくらいだが、パキスタンは一時米国からの援助が停止されたものの、現在では米国の援助も復活し一貫した親米国家だ。
 この北朝鮮モデルが成功したならば、反米の中南米諸国に拡大していくことが容易に想像できる。そうなった時、世界は核廃絶の道から核の世界的な拡大に結びついていくことになる(「日本が核攻撃されちゃう」なんて漫画レベルの問題じゃない)。想像するだけで怖ろしいことだ。自分の「裏庭」に戦争の種を蒔き続け、資源ある反米国家を作り続け、冷戦以後も自国の非核化推進を怠ってきた米国など核保有国の「つけ」であることは間違いない。
 また、唯一の被爆国としての説得力をもつはずの日本も、「格好と威勢は良い」が不適切な政策・外交によって結果として世界の核の恐怖の拡大に手を貸したことになるだろう。

 このような局面をどうしたら良いのか、それは間違っても、日本のナショナリズムを高騰させ、九条を変え戦争可能な国にすることではないだろう。それは、まさに最弱者となり、この世のルールを上下ひっくり返すことによって強者になろうとする北朝鮮の思う壺だ。恐怖と怒りを理由に力を持つことはあまりに危険すぎる。
 今、日本が持つ世界へ発信できる最大の力は、「ヒロシマ・ナガサキ」と憲法九条の完全なる戦争放棄の説得力だと思う。このような「紛争地域」でありながら、米国との同盟もなく(あると何一つ説得力がない。自民党と組む公明党のようなものだ)、完全なる戦争放棄を遵守した、核廃絶を訴える貧困でない「誇りある」国の存在は、世界に平和に至る道筋を示す大きな衝撃を与えるだろうに。実際の細かな地政学的要素や歴史的要素はあるが、世界の一般市民はそこまで深くは考えないだろう。
日本はもはや戦後直後のように米国を介してしか西欧諸国との国交ができない国ではない。平和主義国家として存続ができれば、そのクリーンイメージと、米国に左右されない国としての安定性の故に、さらに発展するように思う。
 日本は、このような紛争地域に存在するただ一つのガンジーのような非暴力国家として、紛争当事国から離れ、多くの当事国以外の国からのバックアップを受けながら米中北韓の調停役になれないものだろうか。
 夢想屋のように思われるかもしれない。しかし、自分の心の中に戦争しか残された選択肢がないと考えたとき、その時こそが平和を望む人たちの決定的な敗北の時であり、北朝鮮を含む「力の論理」の信奉者が勝利する時だろう。
 

※読み返してないので分からないが恐らく「なんじゃそりゃ」という暴論もあるかもしれない。書いた年数とかも間違っているかもしれない。雑感ですから少々の事はご容赦下さい。
 
 
 
06:32 | 北朝鮮 | comments (16) | trackback (-) | page top↑
Sat.

10月17日 日弁連「特例高金利」と「利息制限法の改悪」の阻止を求める1000人パレード

 存在する全ての弁護士で構成される日本弁護士連合会が金利グレーゾーン問題で国会前で大規模なパレードをする。もちろんグレーゾーン撤廃、金利引き上げ反対のパレードだ。

  「特例高金利」と「利息制限法の改悪」の阻止を求める1000人パレード

期 日 2006年10月17日(火)

決起集会 午前11時 日比谷野外音楽
堂開場午前10 時45 分)

東京メトロ丸の内線「霞ヶ関駅」下車B1a 出口より徒歩約3 分

パレード出発 午後0時 日比谷公園霞門

解 散 午後1時 永田町付近

 弁護士などにしか案内をしていないかもしれないが、弁護士でない方ももちろん一緒に入ってもらって不都合などあるはずもないだろう(日弁連が宣伝しないので、一会員の私が宣伝しておきます)。
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04:45 | お知らせ | comments (7) | trackback (-) | page top↑
Thu.

安部さん、あなたは何時の時代の教育に「再生」させたいのか?

安倍晋三首相は、「教育改革」を全面に訴えているが、これを推進するために「教育再生会議」というものを立ち上げるらしい。
ところが、この再生会議のメンバー、一体、何時の時点の教育に「再生」するつもりなのかと疑いたくなるようなメンバーの名前が挙がっている。

一人目は、言わずと知れた山谷えり子議員だ。彼女は、もともと教育者でも何でもなく、「サンケイリビング」というフジサンケイグループの情報誌のエッセイストだ。
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04:17 | 教育基本法 | comments (16) | trackback (-) | page top↑
Sat.

イタリア国民投票と日本の国民投票法案

 実はこの記事、私自身数週間前まで知らなかった。日本が通常国会であくせくしていた丁度同時期にイタリアでは、右派政権が提出した新自由主義に基づく改憲案をめぐり国民投票が行われていた。当然、右派・左派を挙げての大決戦になり、結果として61%の多数で右派政権の提出した改憲案は否決されていたのだ。
 2005年の生殖補助医療に関する国民投票(イタリアは憲法改正以外でも国民投票ができる制度)はいくつかのブログでも紹介されているが、この2006年の憲法改正国民投票は日本ではほとんど知られていない。
 詳細は、参議院憲法調査会事務局の報告書に詳しく書かれてあるが、簡単に説明してみる。

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00:40 | 憲法・国民投票法案 | comments (8) | trackback (-) | page top↑
Fri.

民主党 国民投票法案でも反対することを表明

 ついに、この国の行く末に決定的な影響を与える臨時国会が始まった。
 野党第一党の民主党は、早々に教育基本法「改正」に反対の意向を示したが、小沢代表は、国民投票法案では自民党とすり合わせ協議をすると発言していた。
 ところが、ここにきて、教育基本法だけでなく、国民投票法、共謀罪でも野党一致で反対することを発表したのだ。

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02:19 | 憲法・国民投票法案 | comments (6) | trackback (-) | page top↑
Wed.

9月30日「リトルバーズ」上映と綿井監督講演会

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 友人の弁護士たちで、今週の土曜日(9月30日)映画「リトルバーズ」の上映会をすることになった。
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00:52 | お知らせ | comments (10) | trackback (-) | page top↑
Thu.

右翼よ法の声を聞け ~日の丸君が代強制違憲判決

 まだ体調が完全でないけども、これはどんな薬よりも効果がある。

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 東京都を中心に、全国で行われている、入学式・卒業式における日の丸・君が代の強制に対し、画期的な違憲判決が出た。
 憲法論から一切逃げることなく、教職員の思想良心の自由を認定し、東京都の正に異常とも言える起立・斉唱の強制を違憲無効としたのだ。
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16:36 | 日の丸君が代 | comments (31) | trackback (-) | page top↑
Mon.

葛飾ビラ配布弾圧事件 無罪判決


毎日新聞より)
当たり前の判決ではある。
しかし、現在の弾圧容認判決が連続する中、裁判所はよく良心に基づいた判決を出した。
政治ビラの配布行為では、今年になってから、東京高裁で逆転有罪となった立川テント村事件、休日に公務員がビラ配布をして罰金の執行猶予となった国公法弾圧事件など、これまで有罪判決が相次いでいた。裁判に縁のない方は理解できないかもしれないが、通常、このような流れの中では、ヒラメ的に有罪判決を出してしまうのがこれまでの裁判所の傾向だったが、この常識を覆した画期的な無罪判決だ。
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15:18 | 刑事 | comments (19) | trackback (-) | page top↑
Wed.

「戦争の罪を問う(責罪論)」カール・ヤスパース

 沖縄から戻った。現地では、予測通り台風に遭遇し、おまけに図らずも、沖縄で竹中平蔵氏と出くわすというアクシデントまであり、盛りだくさんの沖縄だった。
 私は、あの悲惨な記憶を今も持ち続ける沖縄で、海を見ながら久しぶりにゆったりとした気持でぼんやーりと考える中、一つ思い出したことがあった。

 沖縄へ行く直前に、「右傾化する若者」を題材にあげてみた。
 彼らは、よく中国戦線での虐殺の事実について、死傷者の人数問題などを指摘し、「中国だって悪いのだ」という論理構成をしようとする傾向がある。このような、いわゆる「右」よりな方たちが論じる主張について私は何か記憶に引っかかるものを感じていた。それが何だったのか、前回のときは思い出せなかったが、たっぷりとした時間の中で、一冊の本を思い出したのだ。
 それが精神科医から世界有数の哲学者となったドイツ人カール・ヤスパースの「責罪論(「戦争の罪を問う」)だ。

戦争の罪を問う 戦争の罪を問う
カール ヤスパース (1998/08)
平凡社
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01:28 | 夏よみたい本 | comments (2) | trackback (-) | page top↑
Fri.

21日までお休みします

誠に勝手ながら21日までお休みします(珍しく告知)。
沖縄へ行って参ります。
コメントにお返事をしようかと思ったのですが、沖縄へ行くために今日は徹夜で仕事を終わらせて、もう飛行機に間に合わなくなりそうなので戻ってからお返事します。kusukusuさん長いコメントいただいているのにごめんなさい。伏せコメントいただいた●●-●さん、すごく良いコメントだったので是非表で下さい。
ああ、もう行きます。

皆さん良い夏を!
07:27 | お知らせ | comments (0) | trackback (-) | page top↑
Thu.

「右傾化する現代日本の若者たち?」ポリティーク(vol11)

 今年の夏は本当に暑い。それなのに私は明後日から沖縄へ行く。しかも天気予報からすると台風とぶつかるらしい。どこまでついてないんだと思うが、まあどちらにしてもゆっくりと沖縄の歴史と海を堪能してこよう(楽しみだなぁ)。

 先日の靖国の一件で若者に靖国史観が思った以上に浸透しているのを感じた。夕方以降は靖国は若者であふれかえったそうな。10代の子どもたちが中心の「ネット右翼」な青少年たち※はどうして生まれてくるのか?そんな疑問に短く答えてくれる本を紹介しよう。
ポリティーク〈Vol.11〉特集 改憲問題の新局面 ポリティーク〈Vol.11〉特集 改憲問題の新局面
渡辺 治、二宮 厚美 他 (2006/03)
旬報社
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 ポリティーク(旬報社)第11号所収の「右傾化する現代日本の若者たち?」(中西新太郎 横浜市立大学)がそれだ。
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03:17 | 夏よみたい本 | comments (10) | trackback (-) | page top↑
Tue.

「靖国の魔力」  加藤家放火、そして切腹

 終戦記念日の今日、小泉首相は、靖国神社を参拝した。靖国神社の前では、「天皇陛下の元に結集せよ」などの幟が上がる不気味な雰囲気の中、反対の声を無視し、しかも「公約だから」と自分を選んだ国民へと責任を転嫁して、参拝を強行した。前の記事でも書いたが、A級戦犯問題は決着してないなどという人がいる。しかし、これを生んだ東京裁判は「裁判」であって、とっくの昔に既に決着済みだ。内容的に言っても政治的にやり直すことはもともと想定されていないし、そもそも手続き上あり得ない。 責任論で私たちが考えるべきはスケープゴートの東京裁判に基づく法的責任でなく、私たち一人一人が感じる情緒的・道義的責任の涵養だ。今更、日本人が「東京裁判は間違い、A級戦犯はいない」などと訳の分からない議論をすることは何らの事の真相もついていないし、何より何ら利益を生まない。生むのは、ただ偏った反中反韓そして反日感情だけだろう。

 小泉首相の盟友と言われた加藤紘一氏は、小泉首相の参拝に反対し、追悼施設の新設を支持していた。今日のテレビ番組にもいくつか出演し、「積み重ねた中国との関係はこの5年で全て失われた」として、小泉首相の参拝に苦言を述べていた。

 そんな折、加藤氏の実家に火が放たれた。実行犯は他の新聞では「腹部から血が流れていた」なんて婉曲な表現をしていたが、朝日新聞のいうように割腹自殺だろう。
「靖国神社」というものは、追悼施設なんていうものではそもそもない。あれ自体、天皇制度と明治時代からの伝統を利用し、国民の意思を戦争遂行へと駆り立てるための装置であったというのが事実だ。多くの人には理解できない。しかし、いつの間にかその考えにとらわれる。それがカルト宗教の恐ろしさだ。
 この放火事件は、そのような「靖国」の不気味な「魔力」を顕しているのかもしれない。

加藤紘一氏の実家が全焼 男が放火、割腹自殺図る
朝日 2006年08月15日21時14分
 15日午後5時55分ごろ、山形県鶴岡市大東町、自民党の元幹事長加藤紘一氏(67)の実家から出火、木造2階建ての住宅と隣接する加藤氏の事務所計約340平方メートルが全焼した。現場には、男が腹部を切って倒れていた。鶴岡署はこの男が放火した後、割腹自殺を図ったとみて調べている。男は意識がない状態だという。
加藤紘一・自民党元幹事長の事務所(右)。裏手の棟続きの自宅とともにほぼ全焼した。

 加藤氏はこれまで、首相の靖国神社参拝をめぐり「参拝すべきではない」「個人の心の問題と考えること自体、大きな錯誤であり、外交問題だ」など批判的な発言を繰り返してきた。小泉首相が参拝した15日もテレビ各社に出演していた。県警は慎重に関連を調べている。
 調べによると、出火当時、実家の内部から煙が上がっていたという。男は50歳代とみられている。駆けつけた消防隊員が実家の敷地内で倒れていたのを発見し、市内の病院に搬送した。
 出火当時、実家で暮らしている加藤氏の母の於信(おのぶ)さん(97)は、散歩に出かけており、近くの美容室で保護された。事務所には女性事務員1人が勤務していたが、逃げ出して無事だった。

23:24 | 靖国問題 | comments (8) | trackback (-) | page top↑
Tue.

靖国問題

 明日8月15日は、終戦記念日だ。そして、散々マスコミが宣伝するように、小泉首相が靖国神社を公式参拝するかどうかが注目されている日でもある。
 今日このテーマで書く人は(多分)多く、書き始めると長くなるので余り積極的に書く気はなかったが、今日偶然「TVタックル」という番組を見てしまった。この番組、靖国問題をテーマとしていたのだが、この内容が、あまりに低次元で、感情的で、酷い内容だった。その直ぐ後には、NHKスペシャル、またその後にはNEWS23で「上坂冬子」(!)が登場していた。全ての番組に共通するのは、靖国の「歴史認識」問題(対中国問題)にしかふれてないことだ。
 当然、私とは違う考えの人もいるだろうけども、あのTVタックルという番組で出ている人たちとは違う考えもあることを示しておいた方が良いかもと思い立った(歴史認識問題に限定されるがNHKスペシャルはよくまとまっていたし、何より議論が理性的で良かった)。
 ということで以下、つらつら書いてみる。


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 この靖国問題は、高橋哲也教授の分類を参考にすれば、①「感情」の問題、②「歴史認識」の問題、③「宗教」の問題、④「文化」の問題に分かれる。

 しかし、今注目されているのは、その複数の問題のうちの②「歴史認識」の問題だ。
 小泉日本政府は、「A級戦犯なんていない。『愛国心教育』で偏った歴史認識を持った中国が、日本の歴史認識に介入しているだけだ。英霊の御霊を慰霊するのがなぜ悪い。しかも公約だ」として、公式参拝を実行しようとしている。
 これに対して、中国政府は、「戦後補償の処理において、一部の『軍国主義者』とその他の日本国民に分け、『軍国主義者』のみを戦争責任の対象とした。つまり、一部の『軍国主義者』に責任があるとの歴史認識を日中で共有することを確認したから、当時復興途中であった日本への損害賠償請求権を放棄したのだ。」との反論が出る。
 私は、この歴史認識を巡る対立は全くの無意味だと思う。
 それは、双方ともに東京裁判で有罪となった一部の「軍国主義者」がスケープゴートされたものという理解で本当は一致しているからだ。
 中国政府自身、一部の『軍国主義者』に責任を集中させ、損害賠償を放棄したのは、将来的な日中関係を考慮した政治的判断だろうし(第一次大戦後の多額の賠償義務を背負い再び戦争に走ったドイツの歴史も考慮されたと言われることもある)、日本政府だって、一部の「軍国主義者」に責任を押しつける東京裁判を天皇の戦争責任を回避するために有益であったことから利用し、またこれによって対中国関係についても金銭賠償をも回避できた訳だ。結局、日本にしても中国にしても、歴史を政治の道具として利用して現在の状況と将来の利益を見込んで和解していたと言える。

 東京裁判は右よりな方が声高に言うように裁判としては明らかに間違った裁判だろう。正しい裁判なら戦争責任者に、最高責任者の昭和天皇が入らないはずがないからだ。
 過去のお互いの利益のために政治的決着でスケープゴートすることに決めた「A級戦犯」という名の『軍国主義者』を、約束を今になって反故にしたいのなら、免除された損害賠償義務を中国にたたきつけて「賠償金払ったんだからいいだろう」というしかないだろう(村山富市の謝罪なんて実際のところ意味はない。戦争責任において裁判も受けず、賠償も払わず「ごめんなさい」で済むわけない)。南京虐殺の人数がどうのこうのなんていう歴史認識問題は参拝の是非には全く意味をなさない。それは金額の多寡に影響するだけだ(どうせ払わないから関係ないだろうけども)。

 本当に問題なのは、冒頭にあげた①の感情の問題と③宗教の問題だ。
 ③が問題なのは当たり前だ。最高裁は憲法判断を避けているが、憲法判断を下せと言われれば、甘いと言われる目的効果基準で判断しても効果がはっきりしているので違憲に決まってる。「靖国神社は宗教でない。日本人なら誰でも尊敬すべき「道」である」などと言った人もいるが、そういうわけにもいくまい。

 実際問題、今の日本にとってアメリカ一辺倒の外交政策は愚策であることはだれでも思っている。中国との関係とアメリカとの関係をバランス良く保ち、かつその架け橋となるぐらいが日本の最もよい政治的位置であることは誰も否定しないだろう。
 実際、アメリカにしてみれば、中国をも気にして「参拝やめとけよ」と冗談交じりに参拝を止めようとする振りをする。靖国問題で日本と中国は関係を希薄化させ、一方でアメリカは中国との関係は悪化しない。お馬鹿な日本が勝手に言ってるのよとでもいわんばかりだ。

 それにもかかわらず、何の理由もなく、これまでの日本の対中外交の積み重ねを捨ててまで靖国参拝を強行する行動は理解しがたい。そこには必ず政治的理由がある。
 その理由は、「靖国神社」というシステムが日本政府にとって極めて都合の良いものだからだろう。前述の高橋教授が言う悲哀を洗い流し栄誉を生み出す「感情の錬金術」は、教育勅語・軍人勅諭・愛国心教育と並んで戦争遂行の原動力となった。現代においても、自衛隊という「軍隊」を持つ以上、この「靖国システム」は重要なシステムというわけだ。まして、憲法9条の「改正」、海外派兵恒久法制定など軍事行動を拡大しようとする訳だからその重要性はますます高い。
 結局、政府が靖国にこだわるのは、自衛「軍」を闘える軍隊にするためには、教育基本法の「愛国心」明示と並んで「靖国システム」の維持は譲れないからというのが本来的目的だろう。

 彼らはいつも本当の理由を明言しない。教育基本法の「改正」で愛国心教育を盛り込む理由は、彼らのいう改正理由である学力向上にもニート・フリーター増加にも、少年犯罪の増加のどれにも何ら関係がない。それでも小泉路線を引き継ぐ安倍氏は教育基本法「改正」を最優先すると言い放ち、靖国参拝も隠れてコッソリでも参拝をする。

 愛国心の押しつけだけでなく「靖国」などという感情のコントロール装置まで使わなくてはいけない「軍隊」は、本当に「中立国」の専守防衛の軍隊なのか。
 「靖国問題」に現れる政府の意図は、本当は何を狙っているのか、何に繋がるのかそこにこそ私たちは注視する必要があるのではないか。反中とか反韓とか言っている場合ではないだろう。そこに何一つ利益はない。
 


遺族として
 ちなみに私の祖父は戦死している。今の私の年齢より若かった。当然取り決めのとおり祖父の名は靖国神社に挙がっている。私の父は母子家庭の貧しさのために自分の兄を大学に行かせるために少年時代から働き、自分が大学に入学したのは30歳を超えた後だった。

 祖父は争いを好まない平和を愛する人だったそうだ。生まれてくる父を気に留めながら戦地へ行き、人を殺し、そして死んだ。そんな祖父にとって、未だに「靖国」によってあの戦争に縛られる、そして孫やひ孫の代にまで戦争の道具だった「靖国」が用いられる、そんなことは決して望まないだろう。
 人殺しを強要され苦悩の中戦死した者、その遺族の血のにじむ苦労を利用するのはもうやめて欲しい。

 現在まで私の祖母は20代で死に別れた夫を靖国に慰霊に行ったことなどない。
 私の祖父は私たちの家族に見守られ、実家の小さな墓石の下で安らかに眠っている。ただそれだけだ。

01:57 | 靖国問題 | comments (17) | trackback (-) | page top↑
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