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Thu.

「右傾化する現代日本の若者たち?」ポリティーク(vol11)

 今年の夏は本当に暑い。それなのに私は明後日から沖縄へ行く。しかも天気予報からすると台風とぶつかるらしい。どこまでついてないんだと思うが、まあどちらにしてもゆっくりと沖縄の歴史と海を堪能してこよう(楽しみだなぁ)。

 先日の靖国の一件で若者に靖国史観が思った以上に浸透しているのを感じた。夕方以降は靖国は若者であふれかえったそうな。10代の子どもたちが中心の「ネット右翼」な青少年たち※はどうして生まれてくるのか?そんな疑問に短く答えてくれる本を紹介しよう。
ポリティーク〈Vol.11〉特集 改憲問題の新局面 ポリティーク〈Vol.11〉特集 改憲問題の新局面
渡辺 治、二宮 厚美 他 (2006/03)
旬報社
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 ポリティーク(旬報社)第11号所収の「右傾化する現代日本の若者たち?」(中西新太郎 横浜市立大学)がそれだ。
 若者の右傾化の原因と言えば、竹中氏の関係会社が仕組んだ「B層」戦略や手段としてのワンフレーズポリティクスがあげられるが、果たして本当にそれだけだろうか。著者は、それだけに止まらず、心理学的、歴史的、果ては文化的考察を試み、若者の右傾化の原因を分析する。
 内容の一部を要約するとこんな感じだろうか。
 
 今の若者たちの置かれている現状は、私たち大人の世代よりもよほど不安で先の見えないものと映っている。新自由主義に反対すれば、「負け組になるのが怖いんだろう」という後ろ向きの態度ととられるのを回避したいと言う心情を持ち、一方では大きな政治権力で自分が守られる、そうあって欲しい(秩序維持希求)という矛盾した気持を持っている。その気持が上記の小泉戦略と相まって自民党の支持へとなだれ込んでいく。
 先も見えず過去の「負」を押しつけられた若者たちは、日々の生活で「戦後民主主義」の恩恵を感じることはなく、旧来の「建前」と感じるものに過剰に反発し、「本音」や「純粋な思い」と思わせてくれるものに共感する。「これは守るべきものだ」という言葉は彼らを逆に反発させる。
 不十分な歴史の認識しか持たない若者たちは、「今」を生きる自分たちには関係のないことで責め続けられると不満を持ち、これを「解放」させる心地よさに酔いしれ、また、自分たちの世代の「おたく文化」の評価の向上により、自分たちの成果を盾にそのような「解放」のエキュスキューズを得たという気持を抱いてしまった。

 この著者の論稿は、30代の私にもハッと気づかされるものがあった。自虐史観批判が謳われるようになったのは、私が学生時代の時だった。誰の話を聞いたかは覚えていない。学者だったが、今のつくる会系の学者だったかどうかすら分からない。ただ、その論を聞いたとき、何かフッと心が「解放」された気になった。私は小学生時代を広島で過ごし、恩師は被爆者だった。学級文庫には「はだしのゲン」が置かれ、戦争の話は良く聞いた(ただ、今考えると沖縄での玉砕など日本軍が内向きにやった悲惨な事件や原爆被害については具体的だったが、アジア諸国への加害の事実については極めて抽象的だった。教組の平和教育は加害事実偏向と批判されるが、加害の事実についてちゃんと教えられた人は本当にいるのか?日本軍が日本人へ行った加害は確かに教えられたが...)。別に気にして生活を送っていたわけじゃない。それでも、戦争の話の時は「何か嫌な気持ち」「暗い気持ち」という引け目を感じた気持になったと思う。これを「解放」してくれようとしたのだから、それは気持がいいだろう。
 しかし、歴史を学び、政治を学んでいき、また大人になり社会的位置づけを持っていけば行くほど「自虐史観」からの解放の熱は冷め、逆にそのような誤った歴史観を持っていた反動で、子ども時代に感じたよりも大きな嫌気がさしてくるようになった。
 もちろん若者の右傾化は、遊び半分な者もいるだろうし、2chなどの媒体を利用した政治的作為もあるだろう。しかし、それだけではないように思う。そのような作為にはまりやすい素地は別の契機で生まれたように思う。
 「ネット右翼」は生き残った世代の責任の産物かもしれない。過去を清算せず、思い出したくないという感情から、被害の事実ほどに加害の事実をきちんと伝えず、その結果、子どもたちに「いわれのない非難」と感じる素地を生んでしまったのではないか。もともと、洗脳状態とはいえ、ほんとんどの市民、教師も熱狂的に戦争を支持し大本営発表を信じていたから、体験した本土空襲、原爆被害、戦後の貧しい生活ほどに加害の事実について知らず、これを伝えることができなかったのかもしれない。
 また、「ネット」右翼な若い人にも言いたい。忘れるだけならまだ良い、「悪くない」と開き直るのだけはやめよう。もともと今を生きている若者に罪はない。誰も過去の人間の罪を償え等とは本気で思ってはいないのだから。ただ、被害者と加害者を逆転することにより、過去の罪を忘れることは笑い事で済まない軋轢と恥を生むよ。
それだけでなく、本来あなた方に責任のないはずのことが、あなた方若い人たちがこの「昔の人たちが当事者だった問題」の新しい当事者になることも意味するでしょう。ビラまきや街宣活動をしているおじさんやおばさんやおじいさんやおばあさんは、正直この後政治が多少変わったって余り関係ない。特に9条が変えられたって自分が戦争に行くことはほぼ100%ない。彼らは誰のために、あんな運動をしているのか?中国や韓国のためじゃない。それは私もじいちゃんばあちゃんと街宣活動をやってるからよく分かる。それは私ら中年を含めたあなた達のためだ。

 大人になった今の私は思う。加害の歴史を嫌がらず、教え、受け止め、「少し暗くなる」この気持と共生することこそが、未来のこどもたちを含めた、私たちが諸外国から尊敬され、自分たちも誇りに思える市民となれる唯一の道だと。


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「ネット右翼」と呼ばれる青少年たち
 http://www.tokakushin.org/undou/no_net_uyoku/net_uyoku.htm
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03:17 | 夏よみたい本 | comments (10) | trackback (-) | page top↑
21日までお休みします | top | 「靖国の魔力」  加藤家放火、そして切腹

Comments

# TBありがとうございます。
沖縄には2度訪ねたことがあります。あの楽園のような土地で過去地獄の惨劇があったとはとても思えません。民間人が多数的・味方により殺されて、あたしは「琉球王国のままでいれば・・・」とよく思ったものです。
何故靖国参拝が”内政干渉”なのか本当に意味がわかりませんが、アジア諸国への侵略の歴史を正しく知れば、靖国参拝などできないはずです。あの神社は戦争を起こし、多くの人を虐殺した人たちが「神」として祀られているのです。それを参拝する、崇拝するということが中国を初めとする各国の感情を逆撫でするのは火を見るより明らかです。
都合の悪いことは「なかった」ことにする政府高官に憤りを感じます。
by: 吉祥天女 | 2006/08/17 08:34 | URL [編集] | page top↑
#
敵ですね。誤字が直せませんでした。
by: 吉祥天女 | 2006/08/17 08:36 | URL [編集] | page top↑
# 少し分かった右翼化した若者達の心理
DANZOさん、若者たちの右翼化の原因がよく分からなかった私ですが、その疑問に答えてくれる本の紹介や、DANZOさん自身の経験、見解をお聞きし、すこし彼らの気持ちが、わかりました。
ありがとうございます。

右翼化した彼らの心理が分かったからといって、このままでいいわけではありませんが。でも、これによって、そうならないような対策を考えることができます。
確かに、中年の私としては、自分のことより、子供達やこれからの日本を憂いて、街宣活動やそのほかの市民運動をしているわけです。右翼化した若者達含めた若者達が戦争の被害者になっても加害者になっても、そして、戦争が一部の人たちの繁栄の手段になることなど、想像したら、安心して死ねない、という気持ちです。
by: 非戦 | 2006/08/17 10:59 | URL [編集] | page top↑
#
DANZOさん、TBどうもありがとうございました。

靖国の記事、15日朝拝見しました。前日の夜NHKで子どもたちが戦争体験者の方を訪ねて平和を考える番組を見ました。(その後の討論とニュース23も見ました。)イラクで傷ついた少年とアメリカから帰った後23歳で自らの命を絶った青年も出てきました。

その後DANZOさんの「遺族として」を拝見して胸が締めつけられました。国が始めた戦争のために耐え難い重荷を背負わされた幾千万の方々の苦しみを思う中、あまりにも身勝手な首相の靖国参拝が強行され、怒りと悲しみを言葉にすることができませんでした。

ちょうど1年前、教科書採択のことで、(おそらくは)若い方たちの襲撃(?)を受けました。質量とも、あまりの激しさに愕然として数日食事が喉を通りませんでした。皆が同じ境遇にあるわけではないでしょうが、彼らは受け入れがたいこの社会を変革するために改憲を望んでいて、その運動をすることによって自己実現をはかっているのではないかと私は感じています。この社会を築いた大人としての責任を突きつけられた思いでした。その前に書いたものですが、またお時間のあるときにご一読頂けましたら幸いです。
http://blue.ap.teacup.com/paletoutseul/409.html

ブログを始めてから、頭の中が一種「病気」みたいになってしまっていたので、こんなことがあった後しばらく旅に出て、やっと人心地つくことができました。その旅のこと、またいつか書けたらいいなと思っています。

沖縄で、のんびり楽しんできてくださいね。良いご旅行になりますように。
by: さき | 2006/08/17 14:27 | URL [編集] | page top↑
#
ごめんなさい。訂正です。「アメリカから帰った後」じゃなくて、「イラクから帰ったアメリカの青年」でした。
by: さき | 2006/08/17 14:36 | URL [編集] | page top↑
# 管理人のみ閲覧できます
このコメントは管理人のみ閲覧できます
by: | 2006/08/17 23:30 | URL [編集] | page top↑
# ブックマークさせてください。
とてもよくわかるブログなのでブックマークさせてください。
by: りでお | 2006/08/21 22:04 | URL [編集] | page top↑
# たくさんのコメントありがとうございます
>吉祥天女さん
 沖縄では、竹中平蔵氏と空港で偶然出会いました。閣僚が来ていることは知っていましたが、何故竹中氏がいたのかは謎です...。
 靖国問題、結構まだ熱さめやらぬというところですね。私はこの靖国問題は、それ自体の問題よりも「罪からの回避」という非常に大きな問題を持っているように思っています。
>非戦さん
お久しぶりです。またコメントがいただけて本当に嬉しいです。若者の右傾化問題は、実は若者プロパーの問題でなく、戦後の時代を作った私たちの姿勢という観点からも考えるべきかと思っています。これについてはまた別記事で。
>さきさん
さきさんの過去の記事読ませていただきました。
さきさんがおこりっぽくないかどうかは別として(^^)、その美容院の若者のような反応は健全だと思います。歴史修正主義や極端な排斥型の主張をする若い子たちでも、自分より経験をもつ目上の人などから、目の前で示唆をされれば別の考えについての考察もしてみよう、そういう健全な人たちはまだ多くいるのではないかと思っています。
若者の右傾化、この現実をあきらめず、頑張りましょう。果てのないマラソンのような気もしますが、それでも諦めず続け、彼らが大人になり相応の知識と分別を持った時に、「あの人たちはこういうことで反対していたんだ」と気づくことができるように。
>りでおさん
もちろんご自由にブックマークでもなんでもしてください。ありがとうございます。
by: DANZO | 2006/08/22 22:40 | URL [編集] | page top↑
#
「あんな運動…中国や韓国のためじゃない。それは私ら中年を含めたあなた達のためだ」

感動しました。
by: | 2007/04/27 23:38 | URL [編集] | page top↑
#
 何故右傾向化がいけないのかがわからなんですが?若者たちの純粋な思想や感情を自分の思想に反するからといって横やりをいれないでもらいたい。
国を憂いてるだけなのに。後、若者の気持ちをわかってるように言ってますが知ったような口をたたかないでもらいたい。一人一人の価値観は違うのだから。
by: 一様若者から | 2007/11/04 23:03 | URL [編集] | page top↑

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