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Tue.

「靖国の魔力」  加藤家放火、そして切腹

 終戦記念日の今日、小泉首相は、靖国神社を参拝した。靖国神社の前では、「天皇陛下の元に結集せよ」などの幟が上がる不気味な雰囲気の中、反対の声を無視し、しかも「公約だから」と自分を選んだ国民へと責任を転嫁して、参拝を強行した。前の記事でも書いたが、A級戦犯問題は決着してないなどという人がいる。しかし、これを生んだ東京裁判は「裁判」であって、とっくの昔に既に決着済みだ。内容的に言っても政治的にやり直すことはもともと想定されていないし、そもそも手続き上あり得ない。 責任論で私たちが考えるべきはスケープゴートの東京裁判に基づく法的責任でなく、私たち一人一人が感じる情緒的・道義的責任の涵養だ。今更、日本人が「東京裁判は間違い、A級戦犯はいない」などと訳の分からない議論をすることは何らの事の真相もついていないし、何より何ら利益を生まない。生むのは、ただ偏った反中反韓そして反日感情だけだろう。

 小泉首相の盟友と言われた加藤紘一氏は、小泉首相の参拝に反対し、追悼施設の新設を支持していた。今日のテレビ番組にもいくつか出演し、「積み重ねた中国との関係はこの5年で全て失われた」として、小泉首相の参拝に苦言を述べていた。

 そんな折、加藤氏の実家に火が放たれた。実行犯は他の新聞では「腹部から血が流れていた」なんて婉曲な表現をしていたが、朝日新聞のいうように割腹自殺だろう。
「靖国神社」というものは、追悼施設なんていうものではそもそもない。あれ自体、天皇制度と明治時代からの伝統を利用し、国民の意思を戦争遂行へと駆り立てるための装置であったというのが事実だ。多くの人には理解できない。しかし、いつの間にかその考えにとらわれる。それがカルト宗教の恐ろしさだ。
 この放火事件は、そのような「靖国」の不気味な「魔力」を顕しているのかもしれない。

加藤紘一氏の実家が全焼 男が放火、割腹自殺図る
朝日 2006年08月15日21時14分
 15日午後5時55分ごろ、山形県鶴岡市大東町、自民党の元幹事長加藤紘一氏(67)の実家から出火、木造2階建ての住宅と隣接する加藤氏の事務所計約340平方メートルが全焼した。現場には、男が腹部を切って倒れていた。鶴岡署はこの男が放火した後、割腹自殺を図ったとみて調べている。男は意識がない状態だという。
加藤紘一・自民党元幹事長の事務所(右)。裏手の棟続きの自宅とともにほぼ全焼した。

 加藤氏はこれまで、首相の靖国神社参拝をめぐり「参拝すべきではない」「個人の心の問題と考えること自体、大きな錯誤であり、外交問題だ」など批判的な発言を繰り返してきた。小泉首相が参拝した15日もテレビ各社に出演していた。県警は慎重に関連を調べている。
 調べによると、出火当時、実家の内部から煙が上がっていたという。男は50歳代とみられている。駆けつけた消防隊員が実家の敷地内で倒れていたのを発見し、市内の病院に搬送した。
 出火当時、実家で暮らしている加藤氏の母の於信(おのぶ)さん(97)は、散歩に出かけており、近くの美容室で保護された。事務所には女性事務員1人が勤務していたが、逃げ出して無事だった。

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23:24 | 靖国問題 | comments (8) | trackback (-) | page top↑
Tue.

靖国問題

 明日8月15日は、終戦記念日だ。そして、散々マスコミが宣伝するように、小泉首相が靖国神社を公式参拝するかどうかが注目されている日でもある。
 今日このテーマで書く人は(多分)多く、書き始めると長くなるので余り積極的に書く気はなかったが、今日偶然「TVタックル」という番組を見てしまった。この番組、靖国問題をテーマとしていたのだが、この内容が、あまりに低次元で、感情的で、酷い内容だった。その直ぐ後には、NHKスペシャル、またその後にはNEWS23で「上坂冬子」(!)が登場していた。全ての番組に共通するのは、靖国の「歴史認識」問題(対中国問題)にしかふれてないことだ。
 当然、私とは違う考えの人もいるだろうけども、あのTVタックルという番組で出ている人たちとは違う考えもあることを示しておいた方が良いかもと思い立った(歴史認識問題に限定されるがNHKスペシャルはよくまとまっていたし、何より議論が理性的で良かった)。
 ということで以下、つらつら書いてみる。


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 この靖国問題は、高橋哲也教授の分類を参考にすれば、①「感情」の問題、②「歴史認識」の問題、③「宗教」の問題、④「文化」の問題に分かれる。

 しかし、今注目されているのは、その複数の問題のうちの②「歴史認識」の問題だ。
 小泉日本政府は、「A級戦犯なんていない。『愛国心教育』で偏った歴史認識を持った中国が、日本の歴史認識に介入しているだけだ。英霊の御霊を慰霊するのがなぜ悪い。しかも公約だ」として、公式参拝を実行しようとしている。
 これに対して、中国政府は、「戦後補償の処理において、一部の『軍国主義者』とその他の日本国民に分け、『軍国主義者』のみを戦争責任の対象とした。つまり、一部の『軍国主義者』に責任があるとの歴史認識を日中で共有することを確認したから、当時復興途中であった日本への損害賠償請求権を放棄したのだ。」との反論が出る。
 私は、この歴史認識を巡る対立は全くの無意味だと思う。
 それは、双方ともに東京裁判で有罪となった一部の「軍国主義者」がスケープゴートされたものという理解で本当は一致しているからだ。
 中国政府自身、一部の『軍国主義者』に責任を集中させ、損害賠償を放棄したのは、将来的な日中関係を考慮した政治的判断だろうし(第一次大戦後の多額の賠償義務を背負い再び戦争に走ったドイツの歴史も考慮されたと言われることもある)、日本政府だって、一部の「軍国主義者」に責任を押しつける東京裁判を天皇の戦争責任を回避するために有益であったことから利用し、またこれによって対中国関係についても金銭賠償をも回避できた訳だ。結局、日本にしても中国にしても、歴史を政治の道具として利用して現在の状況と将来の利益を見込んで和解していたと言える。

 東京裁判は右よりな方が声高に言うように裁判としては明らかに間違った裁判だろう。正しい裁判なら戦争責任者に、最高責任者の昭和天皇が入らないはずがないからだ。
 過去のお互いの利益のために政治的決着でスケープゴートすることに決めた「A級戦犯」という名の『軍国主義者』を、約束を今になって反故にしたいのなら、免除された損害賠償義務を中国にたたきつけて「賠償金払ったんだからいいだろう」というしかないだろう(村山富市の謝罪なんて実際のところ意味はない。戦争責任において裁判も受けず、賠償も払わず「ごめんなさい」で済むわけない)。南京虐殺の人数がどうのこうのなんていう歴史認識問題は参拝の是非には全く意味をなさない。それは金額の多寡に影響するだけだ(どうせ払わないから関係ないだろうけども)。

 本当に問題なのは、冒頭にあげた①の感情の問題と③宗教の問題だ。
 ③が問題なのは当たり前だ。最高裁は憲法判断を避けているが、憲法判断を下せと言われれば、甘いと言われる目的効果基準で判断しても効果がはっきりしているので違憲に決まってる。「靖国神社は宗教でない。日本人なら誰でも尊敬すべき「道」である」などと言った人もいるが、そういうわけにもいくまい。

 実際問題、今の日本にとってアメリカ一辺倒の外交政策は愚策であることはだれでも思っている。中国との関係とアメリカとの関係をバランス良く保ち、かつその架け橋となるぐらいが日本の最もよい政治的位置であることは誰も否定しないだろう。
 実際、アメリカにしてみれば、中国をも気にして「参拝やめとけよ」と冗談交じりに参拝を止めようとする振りをする。靖国問題で日本と中国は関係を希薄化させ、一方でアメリカは中国との関係は悪化しない。お馬鹿な日本が勝手に言ってるのよとでもいわんばかりだ。

 それにもかかわらず、何の理由もなく、これまでの日本の対中外交の積み重ねを捨ててまで靖国参拝を強行する行動は理解しがたい。そこには必ず政治的理由がある。
 その理由は、「靖国神社」というシステムが日本政府にとって極めて都合の良いものだからだろう。前述の高橋教授が言う悲哀を洗い流し栄誉を生み出す「感情の錬金術」は、教育勅語・軍人勅諭・愛国心教育と並んで戦争遂行の原動力となった。現代においても、自衛隊という「軍隊」を持つ以上、この「靖国システム」は重要なシステムというわけだ。まして、憲法9条の「改正」、海外派兵恒久法制定など軍事行動を拡大しようとする訳だからその重要性はますます高い。
 結局、政府が靖国にこだわるのは、自衛「軍」を闘える軍隊にするためには、教育基本法の「愛国心」明示と並んで「靖国システム」の維持は譲れないからというのが本来的目的だろう。

 彼らはいつも本当の理由を明言しない。教育基本法の「改正」で愛国心教育を盛り込む理由は、彼らのいう改正理由である学力向上にもニート・フリーター増加にも、少年犯罪の増加のどれにも何ら関係がない。それでも小泉路線を引き継ぐ安倍氏は教育基本法「改正」を最優先すると言い放ち、靖国参拝も隠れてコッソリでも参拝をする。

 愛国心の押しつけだけでなく「靖国」などという感情のコントロール装置まで使わなくてはいけない「軍隊」は、本当に「中立国」の専守防衛の軍隊なのか。
 「靖国問題」に現れる政府の意図は、本当は何を狙っているのか、何に繋がるのかそこにこそ私たちは注視する必要があるのではないか。反中とか反韓とか言っている場合ではないだろう。そこに何一つ利益はない。
 


遺族として
 ちなみに私の祖父は戦死している。今の私の年齢より若かった。当然取り決めのとおり祖父の名は靖国神社に挙がっている。私の父は母子家庭の貧しさのために自分の兄を大学に行かせるために少年時代から働き、自分が大学に入学したのは30歳を超えた後だった。

 祖父は争いを好まない平和を愛する人だったそうだ。生まれてくる父を気に留めながら戦地へ行き、人を殺し、そして死んだ。そんな祖父にとって、未だに「靖国」によってあの戦争に縛られる、そして孫やひ孫の代にまで戦争の道具だった「靖国」が用いられる、そんなことは決して望まないだろう。
 人殺しを強要され苦悩の中戦死した者、その遺族の血のにじむ苦労を利用するのはもうやめて欲しい。

 現在まで私の祖母は20代で死に別れた夫を靖国に慰霊に行ったことなどない。
 私の祖父は私たちの家族に見守られ、実家の小さな墓石の下で安らかに眠っている。ただそれだけだ。

01:57 | 靖国問題 | comments (17) | trackback (-) | page top↑
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