--.

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
--:-- | スポンサー広告 | comment (-) | trackback (-) | page top↑
Fri.

民主主義 ~韓国と日本

 教育基本法「改正」が目指す、過当競争のなれの果ての高校留年問題、米国愛国者法と共謀罪の無法性を断罪したともいえるリン・スチュアート弁護士に対する判決など書かなくちゃいけないことはたくさんあるけども、今日は、つい最近会い、とても感動したお隣韓国の弁護士の話をしてみたい。

 21日から23日までの3日間にわたって、石川県で韓国の弁護士団体である民主主義のための弁護士会(民弁・盧武鉉大統領の出身母体)と交流し、北朝鮮問題についての共同声明(■1)の作成や、教育基本法やら国民投票法案、共謀罪、労働契約法制、自主共済廃止問題、特例高金利問題等々多数の現状の問題点についての協議をしてきた。私は自由法曹団という弁護士の任意団体の一人として参加してきたのだが、韓国民弁といえば、いまや盧武鉉大統領や法相を輩出する与党的立場の弁護士団体だ。自由法曹団はといえば、約1800名ほどの構成員を持つものの、やれ「アカ」だの「サヨク」だのと言われることが多いマイナーな民主団体の一つに過ぎない(言いたい放題ですみません...)。民弁であれば、日弁連と共同声明を出したっておかしくないだろうにと思っていたが、それには歴史的な経緯があったことがわかった。

 韓国は、36年間にわたる日本の植民地支配から抜け出せた後、南北分断され、朝鮮戦争の休戦後、軍事クーデターが起こり、以後反共法、国家保安法など市民の人権を奪い取る法律を立て続けに制定してきた。韓国では、朴正熙(パクチョンヒ・日本名高木正雄)、や、その暗殺後、これを粛正して登場した軍人・全斗煥(チョンドファン)らによって恐怖政治が延々と続いていたのだ。この軍部出身者による軍事独裁政権のもとでは真実の情報すら市民には与えられず、リベラルな出版物、書物などは市場からはもちろん、図書館からすら撤去されていたのだ。
このように韓国では、二次大戦後、日本を憎みながらも日本占領軍の統治方法を踏襲した統治が行われていた。軍部が圧倒的な権力を持ち、大統領も軍部から生まれた。逆らうものには徹底的な弾圧(crackdown)が加えられ、後に大統領になる金大中もその弾圧にあった一人だ。

このような社会情勢の中、弾圧を受けながらも民主化のために闘ってきた弁護士たちがいた。それが正法会(1988年 民主主義のための弁護士会(民弁「ミンベン」)に改編)だ。
 彼らは、軍事政権からの弾圧を避けるために、地下に潜り、レジスタンス活動を行っていた(私が、この日に会った弁護士も、軍事政権によって逮捕され二年間の投獄生活を送った経験があると言っていた。)。 彼らは、韓国では知ることのできない報道を、日本の弁護士たちなどから日本の新聞報道や書籍のコピーを送ってもらい、隠れながら読みあさったと言っていた(だから来日した弁護士は、日本語は話せないが日本語は読めていた)。情報操作によって孤立させられている韓国の市民に、植民地時代から朝鮮半島の独立運動を支援してきた布施辰治(ふせたつじ「日本のシンドラー」と呼ばれる。元法務大臣・元日弁連会長)が戦前の1921年(大正10年)に創設した自由法曹団らが危険を冒して協力し、韓国の民主化運動に協力してきたというのだ。
 驚いたことに、彼らが1980年に起こった韓国の光州事件(■2)の真実を知ったのも、日本の新聞を見て初めて知ったというのだ。そんなに最近まで軍事独裁政権に牛耳られていたのかと思うと非常に不思議な気持だ。今の韓国からは想像もできない。こんな古めかしい暴力的な政治が私が中学生だったころのことだというから信じられない。
彼ら民弁は、この時代にはマイナー中のマイナーというか、軍事政権から見たられっきとした「犯罪者」だったわけだ。
その彼らが、光州事件から活発化した民主化運動を、日本の一部の知識人たちの協力もあって闘い抜き、1987年6月29日、大統領候補だった盧泰愚(彼も朝鮮戦争に従軍した軍人)に普通選挙を約束させる「6.29民主化宣言」を出させ、実に16年ぶりに大統領選挙を実施させたのだ。その後も、民主化運動は継続し、今のような韓流ブームで日本のご婦人たちが大騒ぎするほどひらかれた韓国になってきたのだ。
ほんの10数年前には「犯罪者」だった民弁は、現在では、盧武鉉という大統領(彼はもと民弁出身裁判官)を輩出するまでになった。
もちろん、韓国の民主民主主義はまだ、芽生えたばかりで成熟しているわけではない。与党的立場になった民弁は、その後も同胞の盧武鉉政権に対しても、その政策の問題点を市民的立場から指摘し続けている。

よく、嫌韓流な人たちは、昔(というか10数年前)の韓国をとらえて、どうのこうの言うことが多いが、韓国はいわばここ10数年で最悪の軍事政権から暫時的な無血革命を果たした国で、民主化のために闘ってきた人たちは、安倍晋三などの日本政府はともかく、現在の日本の一般市民に対しては、報恩の気持を持っているとも言っていた。しかし、今の日本と同じく、だんだんと若者の政治離れが始まり、無関心層が拡がりつつあって、日韓ともにこういう若い人たちの間で、民主化運動の中で生まれた日韓市民の友好の歴史が希薄化してきていることを心配していた。

私自身、軍事政権下の民主化運動があったことは知っていたが、自分たちの先人らがやってきた具体的な歴史は初めて知った。非常に生々しい民主化のための闘争の歴史を韓国はつい最近までやっていたのだ。

私たちは、今の日本の民主主義社会を当たり前のように感じすぎているのではないだろうか。地下に潜らなくったって、情報だってインターネットで世界中の情報を入手することもできる。そんな恵まれた環境である私たちは、もっと民主主義がいかに得難いものかを知り、それを使うことの大切さを知る必要がある。
自分たちの生活が脅かされ、生活でも教育でも不平等な競争を強要され、捨てれば恐らく二度と手に入ることのないせっかく得た「戦争をしない国」であることを捨て去ること、それが、本当に私たちが望むことなのか。
私たち一般市民が評論家になる必要はないと思う。
単純に教育は平等に行われるべきだと考えるのか、それともエリートとそれ以外に分ける格差をつくり、世襲エリートに世襲奴隷がいるそういう世界が望みなのか、いかなる場合でも絶対非暴力で立ち向かう世界がいいのか、相手と核爆弾を持ち合って脅迫し合って生きていく世界が望みなのか。考えるのはそれだけでいい。自分の子どもたちや、孫の代、将来に生きる全ての人たちにどのような世界を与えてあげたいのか。自分の頭で考えて、自分で決断しよう。そして小さな声でもいいから、だんなさん、奥さん、おじいちゃん、おばあちゃん、友達だれでもいいから、伝える声を出そう。それが、韓国の人たちがつい最近まで血を流して勝ち取り、そして今私たちが持っている民主主義というものなのだ。


----------------------------------------------------------------
■1北朝鮮核実験についての自由法曹団と民弁の共同声明
 この声明の中にある北朝鮮と韓国の民間レベルでの交流については、とても重要で、この交流によって、最前線である38度線ぎりぎりに敷設されていた北朝鮮の軍事施設は、より北側に後退し始めていたということだった。民間レベルでの交流まで止め、徹底的な経済封鎖を行うことの危険性を指摘している。

■25.18光州民主化運動
 1980年5月韓国全羅南道道庁所在地光州市の民主化を求める学生や市民が軍部隊と衝突した事件。(当時の韓国政権では「光州事件」と呼ばれた。)市民の決起は5月18日に始まり、抵抗は5月28日まで続いた。この間、光州は軍事封鎖され、電話も遮断、軍の武力鎮圧により多数の市民が死傷した。この事件を徹底弾圧した全斗煥将軍はやがて自ら大統領の座に上り、軍事独裁政権を継続した。韓国軍に指揮権をもつ米軍が軍の弾圧を支持したため、韓国における反米感情を煽る結果ともなった。
(wiki
スポンサーサイト
02:32 | 北朝鮮 | comments (14) | trackback (-) | page top↑
教育基本法の危機 第一次Xデーは11月10日 | top | 権力への脅威となるススメ ~共謀罪・国民投票法案強行採決の危機に際して 

Comments

# 民主主義は勝ち取るもの
 「私たちは、今の日本の民主主義社会を当たり前のように感じすぎているのではないだろうか。」という指摘は,まさにズバリって感じで,自分にとっても痛いところを突かれたような気がします。確かに,頭では分かっていても,肌で感じる感覚として「当たり前のモノ」という意識があります。
 すぐ隣の国で,具体的に,民主主義を勝ち取る行動をしていたことを知ることは,私たちにとっても原点に帰る重要なきっかけであることが分かりました。
 また,そこに,我が国の「先人」としての支援があったということも,誇りに思えます(こういうところで,愛国心を感じるならば,意味がありますね。)。
 「私たちは、もっと民主主義がいかに得難いものかを知り、それを使うことの大切さを知る必要がある。
」という思いを伝えないといけないと思いました。
by: つくい | 2006/10/27 05:28 | URL [編集] | page top↑
#
コメントどうぞ。
by: hisenn | 2006/10/27 07:52 | URL [編集] | page top↑
# 感動しました。
自由法曹団が、韓国の民弁の弁護士さんたちを助けたというお話には、感動しました。どちらの弁護士さんたちも、すばらしいです。そうやって、長い軍事下から民主主義を勝ち取った韓国、敗戦から憲法9条を得た日本、こんな過去があったのですね。勇気ずけられるお話しでした。でも、若者達を中心に、その平和や民主主義、憲法9条を大切にしない風潮が顕著です。過去のことを知ることは、いまある大切なものを失わないために、大切なことですね。
昨日、法律事務所で9条の会がありました。そこの税理士さんが、石川県の自由法曹団の集まりに出てきたよ、といって美味しい石川県のお菓子をくださしました。DANZOさんが出席されたのと同じ会だったんですね。そして、私は、韓国が軍事下だったころ、韓国の中学生と文通したことがありました。こちらも中学生でしたので、政治の事情がわからず、自由に手紙を書いていました。そうすると、コイン等色々お土産を入れたとき、届かなかったことがありました。それを親に言ったら、韓国では、封書をあけて検閲しているのかもしれない、と言いました。それ以来、書く内容にも気をつけました。でも、突然、向こうから手紙が来なくなりました。私の手紙の内容が、当局に引っかかったのか、向こうの心変わりか、分かりませんが、いまだになぞです。思い出すと、心が痛みます。
こんな時代だから、民主主義や平和のために、私たちは、「自由にものが言いたい、戦争なんてしたくない」、という普通の感覚を大切にして、そういう気持ちで、投票もしたいものです。
by: 非戦 | 2006/10/27 08:13 | URL [編集] | page top↑
# 歴史。
私にとって民主主義はホントに、ごく普通で当たり前のことだと思ってました。
生まれた頃からですから。

その民主主義が無かった時代については、歴史の授業で習ったぐらいで、あまり把握してないと思います。

戦争のことも、あまり認識してないのかもしれません。歴史の教科書、国語の教科書に出てきた反戦の詩、このくらいでしか戦争に触れていません。

私、子どもからしてみれば、「戦争をする国」の実感もいまいち湧きませんが、絶対そういう国には住みたくないと言う思いはあります。

難しいことはあまり分からないんですが、
今の日本は、少しずつ「戦争をする国」に変わりつつあるのでしょうか?


この記事を読んで、「勝ち取った民主主義」、「憲法第9条の重要さがわかった気がします。

この大切なものを私たちの時代、その次の時代、ずっと残せていけたらいいなぁ、と思いました。






by: てるる | 2006/10/27 17:06 | URL [編集] | page top↑
# >つくい先生
私は正直言って、布施辰治さんという先人の努力を知りませんでした。しかし、韓国で民主化闘争を経てきた人たちの中には、今も息づいているのがよく分かりました。戦前、戦中であっても、マイノリティーの人権のために闘った布施弁護士の姿を、私たち現在の弁護士は忘れていけないと思います。
民主主義が危機に瀕しているとき、民主主義を守ることは私たち法律家に課せられた使命なのではないでしょうか。数年前まであまり関心のなかった私ですが、最近特にそのように思います。
by: DANZO | 2006/10/27 23:50 | URL [編集] | page top↑
# >非戦さん
あまりに内輪うけな記事かなと思いましたが、非戦さんにも感じることがあったならば、とても嬉しいです。
 参加していた若い弁護士たちは、眠っている人たちもちらほらいましたが、私や若くても真剣に民弁の話を聞いている弁護士たちもいました。
 私個人は、この話を聞いて、民主主義の結実のために微力ながら頑張ろうという意欲がさらに強まり、本当に良い話だったと思います。実際には、かなり長い話だったので全文掲載できないのが残念ですが、軍事政権から社会の意識が変わる瞬間の感動は筆舌に尽くしがたいものがあります。日本も、そろそろ、独裁政権から真の民主主義に移行する時期がきているように思います。何党が良い、悪いという問題もありますが、私としては、日本に住む人たちの意識がもっと広くなり、成熟した民主主義が根付くことを願ってやみません。
by: DANZO | 2006/10/27 23:59 | URL [編集] | page top↑
# >てるるさん
コメントありがとうございました。
これまでもらったコメントの中で一番嬉しかったです。貴方のようなこれからの世代の人から、こういう言葉をもらえること、それが私たちにとって、ああ、金稼ぎばっかやってなくて良かった、そう思える瞬間です。
ありがとう。貴方のコメントで私は勇気づけられた気持がします。貴方のような子どもたちがいるのだと思うことで、この世界を平和を志向する世界へと変えていきたい、そう思えることができます。
 所詮全ての学問・知識は、人間が記述し体系化したものですから、そう難しいものではありません。これからもできる限り分かりやすくお伝えしていきますので、また来てくださいね。
by: DANZO | 2006/10/28 00:09 | URL [編集] | page top↑
#
「DANZO」。さんからの、御祝のお言葉が届いて、感謝感激のなる♪ママでした!
ありがとうございます!

それに、かなり、過分なお褒めのお言葉を頂き、光栄の行ったり来たりです!
(舞い上がり、オロオロ…。みたいな…。)

それこそ、「DANZO」。さんの記事は、専門家の立場からの素晴らしい内容と共に、人として大切な物はなにか…という気持ちが、根底に流れていて、読む人の心を強く打つものがあります…。

そうした方達が、どんどん、繋がっていけたら、きっと、未来に希望が持てると、勇気が湧いてきます!

私は、ささやかな事しかできませんが、そのつながりを、少しでも広げていければいいなぁ…と、思っています…。

応援しています。
どうぞ、宜しくお願いいたします!

PS.あっ!TBの記事、とても感動したので、また、私のほうでも、近い内に、ご紹介させていただきます。宜しく、お願いいたします。
by: なるほど♪ママ | 2006/10/28 14:46 | URL [編集] | page top↑
# 目覚めなければ
単純に教育は平等に行われるべきだと考えるのか、それともエリートとそれ以外に分ける格差をつくり、世襲エリートに世襲奴隷がいるそういう世界が望みなのか、いかなる場合でも絶対非暴力で立ち向かう世界がいいのか、相手と核爆弾を持ち合って脅迫し合って生きていく世界が望みなのか。考えるのはそれだけでいい。

本当にそうですね!そんなこと自分で考えなくても、任せておいたら何でもいいようにしてくれる、と言う人が物凄く多いのに疲れ気味です。裏切られてから気づいても遅いのですが・・。
by: あゆみ | 2006/11/05 17:54 | URL [編集] | page top↑
# >あゆみさん
はじめまして。
「そうですね!」と言われること、これは本当に「ほっ」としますね。共感できる人がどんどん増えるといいですよね。
今後とも宜しくお願いいたします。
by: DANZO | 2006/11/08 10:30 | URL [編集] | page top↑
# プロジェクター総合案内所
プロジェクターの検索サイト。中古、スクリーン、エプソン、価格、液晶などプロジェクターに関する各種情報をお届けしています。 http://shock.stuartmembery.com/
by: | 2008/10/27 05:14 | URL [編集] | page top↑
# 承認待ちコメント
このコメントは管理者の承認待ちです
by: | 2009/01/10 05:21 | URL [編集] | page top↑
# 承認待ちコメント
このコメントは管理者の承認待ちです
by: | 2009/05/20 21:12 | URL [編集] | page top↑
# 承認待ちコメント
このコメントは管理者の承認待ちです
by: | 2009/05/21 02:36 | URL [編集] | page top↑

Post a comment.















管理者にだけ表示を許可する

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。